
バチカン(美術館、サン・ピエトロ大聖堂)
バチカン市国は、キリスト・カトリックの総本山にして世界で一番小さい国。
必見の観光スポットは、バチカン美術館とサン・ピエトロ大聖堂です。
ヨーロッパの文化の神髄と国全体に漂う厳粛な空気を体感出来るでしょう。
バチカン市国ってどんなところ?
バチカン市国は、ローマ郊外に所在するローマ教皇を頂点としたキリスト教カトリックの総本山。
そして、世界一小さな国です。
1929年の独立(建国)。なぜローマ市の中に国が?と、子供の頃には不思議に感じたものですが、カトリックの歴史とイタリア地方の権力者の変遷、過去の近代イタリア国家との関係性などを踏まえると、現在の姿はある意味、必然だったのかもしれません。
バチカン市国には、歴代のローマ教皇がその権威と富で集めたたくさんの美術品や、豪華絢爛な建築物(サン・ピエトロ大聖堂など)があり、1984年に国全体が世界遺産に登録されています。

巨大な松ぼっくりが印象的です。
世界三大美術館のひとつ、バチカン美術館
バチカン美術館は、パリのルーブル美術館、イギリスの大英博物館、アメリカのメトロポリタン美術館ほか、世界に名だたる施設と共に、世界三大美術館に数えられることがよくあります。

2重螺旋の階段が洒落ています。

「三大美術館」の中では、私はバチカン美術館が一番好きです。
ローマ教皇の住居でもあるバチカン宮殿の中にあるこの美術館は、1503年にユリウス2世が自分のコレクションの彫刻をベル・ベデーレの中庭に置いたことが始まりとされています。
歴代の教皇が権威にかけて揃えた芸術品の数々は、何者にも代えがたい魅力に満ちています。
他の美術館とはどこか違う雰囲気です
バチカン美術館は、他の美術館とどこか雰囲気が違っています。
美術館というと、大きな建物の中に絵画や彫刻といった美術品が並べられているというのが一般的ですが、バチカン美術館は一つ一つの部屋そのものが芸術作品という感じがするんですよね。建物そのものに芸術的価値がみなぎっています。

ラファエロの間とシスティーナ礼拝堂は圧巻でした。
ラファエロの間
ラファエロの間は壁と天井のほとんど全てが、ラファエロ(と、その弟子たち)のフレスコ画で埋め尽くされており、4つの部屋から構成されています。一歩足を踏み入れると思わずため息をつかずにはいられません。
ルネッサンス期の画家の中では、ミケランジェロやダヴィンチよりも、柔らかいタッチと色調のラファエロの絵のほうが個人的に好みです。

ラファエロの間は、いつまでいても飽きない空間でした。
システィーナ礼拝堂
バチカン美術館の中でも、ずば抜けて有名なのがシスティーナ礼拝堂ですよね。
礼拝堂全体がそうそうたる画家たちの絵でおおわれていますが、ミケランジェロによって描かれた天井画(フレスコ画)と『最後の審判』は、彼の作品の中でも傑作中の傑作と言われています。
実際のところどれだけ凄いのか、ワクワクしながら入ったところ、その期待以上のスケールに唖然としました。
特にミケランジェロの『最後の審判』は本当に凄かった。今まで画像でさんざん見てきたけど、実物の持つ存在感は、とてつもないくらいに私の心を揺さぶりました。

あんなきれいな青色(空色)を見たのは人生で初めてでした。
チケットは事前に手配しておいたほうがいいかもしれません
バチカン美術館は人気の観光スポットで、とりわけ夏季には長蛇の列が出来ます。
私は1月のシーズンオフに観光へ行ったのですが、それにもかかわらず、しかも朝一にローマのホステルを出たにもかかわらず、チケットを買うのにしばらく並ばないといけませんでした。
並ぶのが苦にならない人もいますし、並んでいる最中に気持ちが良い具合に高まってくるという効果もあるかもしれませんが、タイトなスケジュールを組む場合が多いと思いますので、出来ればサクッと入館したいものですよね。
チケットはインターネットで予約出来るので、事前に予約するなどして手配しておいた方がスムーズに入館出来るのではないかと思います。
サン・ピエトロ大聖堂
バチカン美術館から出ると、そのまま隣のサン・ピエトロ大聖堂に向かいました。
サン・ピエトロ大聖堂というと、言わずと知れた世界中のカトリックの大聖堂たちの中でも頂点に立つ大聖堂なのですが、最初は今のような建築物ではなく、聖ペトロ(イタリア語だとサン・ピエトロ)のお墓の上に建てられたバシリカ式の教会だったようです。
聖ペトロというとキリストの弟子の中でも天国のカギを渡された程の重要人物で、初代のローマ教皇でもあるのですが、今でも大聖堂の地下には彼のものと思われる棺があるというので、ちょっと驚きですよね。
今の大聖堂は1505年にユリウス2世が改築を決めたのですが、ルネッサンス期歴代の建設責任者にはラファエロ、ミケランジェロ、ベルニーニといったそうそうたる芸術家たちが名前を連ねています。

むちゃくちゃ豪華なんです

大聖堂に一歩足を踏み入れた私の第一の感想は、『むちゃくちゃ豪華や~ん』でした。
それまでにも、幾つもの大聖堂に入った経験があって、それぞれ貴重な体験が出来たのですが、豪華絢爛さについては、サン・ピエトロば抜けています。あんなに「金」と「大理石」をふんだんに使った装飾は、他ではちょっとみられません。
カトリックの総本山であるのだから、特別な意味を持つとことん立派なものを建てないといけないという、大聖堂の改築に携わったローマ教皇たちの並々ならぬ気合いが伝わってくるようでした。
ミケランジェロとベルニーニの作品、クーポラはおススメです
どこを見てもため息、ため息の大売り出し(笑)でして、何も言う事はないのですが、その中でも、私の必見おススメは、ミケランジェロのピタ像、そしてベルニーニの大天蓋(パルダッキーノ)です。
またミケランジェロ作の大聖堂の天井・大円蓋/クーポラ(イタリア語で半円球の屋根のこと。英語ではドーム)については、 エレベーターや階段で頂上まで登る事が出来ます(有料)。大円蓋の装飾を近距離で見れたり、眺望がとってもいいので、ぜひ登っておいたほうがいいですよ。

深い悲しみと慈しみを湛えた聖母マリアの表情が素晴らしい。

奇天烈で豪胆で重厚でエレガントな不思議さ。

クーポラのてっぺんに上がれます。

バチカン市国へのアクセス

サン・ピエトロ広場です。
項目 | 概要 |
---|---|
交通手段 | ローマ市内からバチカン市国に行くなら、地下鉄が便利です。 (地下鉄A線) |
バチカン美術館へ | チプロ(Cipro)駅から徒歩10分くらいです。 |
サン・ピエトロ大聖堂へ |
大聖堂の入り口があるサン・ピエトロ広場へは、オッタヴィアーノ(Ottaviano)駅から徒歩10分くらいです。 |

私は、チプロ駅から美術館を目指したのですが・・・見事に迷ってしまいました。
でも私のように迷っても大丈夫。ローマの人は親切なので、聞けばすぐに道を教えてくれるので助かりますよ。
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By Ansun (Updated by Asatsuki)