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ダントツでダイスキ!オルセー美術館

アンさん

オルセー美術館は、私が一番大好きな美術館です。

鉄道駅施設を再利用した館内は独特の雰囲気を醸し出しており、印象派などのお馴染みの名画を次々と鑑賞出来て、まさに息つく暇もありません。

では、オルセー美術館の、[私のお気に入り絵画10選]をご紹介しましょう。

オルセー美術館について

セーヌ川のほとりにその堂々とした姿を横たえるオルセー美術館(Musee d'Orsay )。元はターミナル駅だった施設を改装して美術館に作り替えられた経緯があります。今でも館内にその名残を見ることができます。

オルセー美術館

建物自体は、1900年開催のパリ万博の頃に鉄道や宿泊関連の施設として建てられた「年代物」ですし、所蔵作品も19世紀の絵画が中心となっていますが、「ミュージアム」としての活用は結構新しくて1986年よりなんです。

オルセーの時計
時計は「駅の時代」からあったそうです。
あさつき

比較的まだ新しい「美術館」なのですね。

アンさん

パリっ子にも旅行客にも大人気の観光スポットなんですよ。

それなりの規模の施設ではありますが、迷子になるほどでもありません。クラシカルな内装が素敵なレストランで、ランチやお茶を楽しむ事も出来ます。気軽に見て回るのであれば、半日くらいの時間を考えておけば良いでしょう。

テーマパーク的な大興奮空間でした!

展示されている絵画は、印象派とポスト印象派の作品が大部分を占めています。絵画の中でも印象派が特に好きな私にとっては、もうたまりませんでした。

アンさん

ディズニーやUSJといったテーマパークにいるのと同じくらい興奮する空間でした。

まだ一度しか行った事が無いのですが、もし機会があればぜひもう一度、いや何度でも、なんなら毎月毎週でも行きたい通いたい。これまで数々の素敵な美術館を見学しましたが、ダントツ!でダイスキ!です。

美術の教科書などで一度は見たことのあるような、「お馴染みの」有名な絵画が至る所にあります。館内はどこを歩いても傑作が目白押し!なんです。普段は美術関係にあまり関心が無い方でも、疎外感やストレスを感じることなく十二分に楽しめると思いますよ。

パリ旅行の際に美術館巡りをするのならば、外せないと思います。出来ればルーヴルとセットで鑑賞見学されることをおススメいたします。

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お気に入り絵画10選!

アンさん

今回は、オルセー美術館で特にお気に入りの絵画を10作品、選んでみました。

あさつき

色彩や発色が明瞭な、温かみや華やかさを感じる作品が多いですね。

アンさん

なお、①~⑩の番号を付していますが、「順位」ではありません。

その①「春」ジャン・フランソワ・ミレー

ミレーは、フランスのバルビゾン村で田舎の風景や農民の姿を描いた、バルビゾン派を代表する画家です。ミレーの作品では「晩鐘」や「落穂拾い」といった、つつましくも気高くある農民の姿を描いた作品が有名でどちらもオルセー美術館で見ることができます。

でも私が好きなのは、ミレーが晩年に取り組んだ風景画(四季シリーズ)のひとつである「春」です。この絵をある小説の挿絵で見た時から、いつかオルセー美術館に行って実物を見ると心に決めていました。

館内を歩き回ってやっとこの絵に対面できた時は、挿絵で見るのとは比べものにならない美しさに息をのみました。雨上がりなのか薄く虹のかかった空と、これからどんどん成長していく春の草木のみずみずしい力強さを感じる清々しい絵画です。


複製画

その②「オルフェウス」ギュスターヴ・モロー

フランス象徴主義を代表する画家であるギュスターヴ・モローは、神話や聖書を元に幻想的で不思議な世界を描いた個性的な作品で有名です。中でも特に有名なこの「オルフェウス」はギリシャ神話に出てくる吟遊詩人オルフェウスの最期の場面を描いたものです。

オルフェウスの表情は八つ裂きにされて殺されたとは思えないほど穏やかで、妻に先立たれた絶望感から解放されほっとしているようにも感じられます。またそんな彼の首と琴を抱き抱える少女の慈悲深い表情も印象的です。

ギュスターヴ・モローはルネッサンス時代の巨匠たちの絵画に影響を受けており、「オルフェウス」の背景はレオナルド・ダ・ヴィンチを彷彿とさせます。


複製画

その③「赤い屋根、村はずれ、冬」カミュ―ル・ピサロ

8回開催された印象派展の全てに作品を出品した唯一の画家であるカミュ―ル・ピサロ。ミルタージュ地区の田園風景を描いた作品です。私は、ピサロの温かみのある色づかいと繊細な描写が大好きだったりします。

この作品はその中でもまるでキャンバスに塗られた絵の具に太陽の光が含まれているんじゃないかと思うほどの鮮やかな色彩がとても印象的ですよ。アトリエの中ではなく外で制作することが多い印象派の画家たちの中でも、特にそのことにことにこだわったピサロならではの作品です。

オルセー美術館には、ピサロの絵が他にも沢山展示されて、どれも甲乙つけがたい美しさなんです。


ポスター

その④「ルーアン大聖堂」クロード・モネ

印象派の画家の代名詞的な存在でもある画家モネの作品も、オルセー美術館でたくさん見ることができます。

その中でも特に注目な作品が「ルーアン大聖堂」です。

この作品は連作で、晩年をむかえたモネは一日のうちの色々な時間帯の大聖堂を30作以上描きましたが、オルセー美術館ではそのうちの4作を見ることができます。描くのがとても難しいとされる光や水を巧みにキャンバスの上に表現したモネですが、この連作という形式で時間までも描こうとしたのではないかと言われています。ずっと変わらずそこにある大聖堂とその周りを絶えず流れていく時間のコントラストが強烈です。

太陽の光の加減で表情を変えていく大聖堂の絵を見比べていると、確かにゆったりとした時間の流れを感じるような気がしました。


複製画

その⑤「睡蓮の池 バラ色のハーモニー」クロード・モネ

モネが晩年自宅の庭につくった池の様子を描いた、睡蓮の連作のなかの1つです。

睡蓮の連作というともっともよく知られたモネの代表作で、彼が視力を失いつつある中でも描き続けた題材でもあります。

水を描くことを好み、水を「水のままの姿で描く」ことができると称賛されたモネですが、温かみのある色彩の中で睡蓮の影を映し出す水面の様子はただただ圧巻です。

オルセー美術館には同じ構図の違った時間帯を描いた「睡蓮の池 緑のハーモニー」も展示されています。


複製画

その⑥「モレジーの競艇」アルフレッド・シスレー

シスレーは、生涯印象派を貫いた画家とされています。ピサロやモネと比べると知名度は低いものの、その作品は高く評価されています。

彼もモネと同様に水を描くのを好んだ画家のひとりですが、その中でも私が特に印象に残ったのはこの「モレジーの競艇」です。

彼がイギリスに滞在していた時期にティムズ川の競艇の様子を描いたこの作品は、大きく揺らめく国旗や波立った水面から会場の賑やかな様子が伝わっ てきそうな楽しい空気で満ちています。


ポスター

その⑦「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」ピエール・オーギュスト・ルノワール

ルノワールは印象派のイメージが強いですが、印象派から古典主義に回帰し後に彼自身の独自の絵のスタイルを築いていったという経歴を持っています。

でも私が好きなのは、この「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」に代表される印象派時代の作品です。


複製画

カフェでの舞踏会の様子を描いたこの作品は、柔らかな太陽の光の中でダンスを踊る人たちの楽しそうな雰囲気をまるで自分もその場にいるかのように感じることができます。ルノワールの絵は色使いが華やかで女性がとても魅力的なところが素敵だなといつも感じます。

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その⑧「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」エドゥアール・マネ

マネは印象派の先駆けとなった画家ですよね。

マネというと、美術の教科書によく載っている「笛を吹く少年」が有名で、こちらもオルセー美術館で見る事が出来ますが、私が惹かれたのはこの「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」の方でした。

平面的な構図や大きな筆使いが特徴で、シンプルな豪快さと緻密な繊細さが同居しているようにも感じました。何か問いかけるかのようにこちらを見つめるベルト・モリゾがとても魅力的です。


ポスター
あさつき

少しふっくらした、べっぴんさんですよね。

アンさん

彼女はマネの友人の女流画家で、後にマネの弟と結婚したそうです。

その⑨「オーヴェールの教会」ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

ゴッホはポスト印象派の代表格で、その数奇な人生についても語られることが多いですね。 その人生と同様、彼の絵の独特なタッチや色使いそれに構図は、他の誰も真似できない極めてユニークなものです。

おそらく、古今東西で一番有名な画家なんじゃないかと思うのですが、彼の作品もオルセー美術館で沢山見ることができます。 その中でも私が印象に残っているのは、彼が最晩年に描いた「オーヴェールの教会」です。

明るい色彩で描かれているものの、ぐにゃりと歪んだ教会の姿がどこか不気味さを醸し出しています。 この歪んだ構造はゴッホのかなり不安定だった精神状態が現れたものだとも、わざとこういった構造で描かれたとも言われていて、真相ははっきりと分かっていないそうです。

私は、この絵を見ていると、ぐじゃぐじゃに絡まった感情が渦巻いているように感じ、ずんと心が重くなりました。 このように、現代においても見るものの心を揺さぶるゴッホの絵が、なぜ生前には全く評価されなかったのでしょうか?

その時代ごとに人間の価値観は変容する部分があるでしょうし、「画壇へのコミットの仕方や根回し」によっても、世間的な成功は左右されるのだと推察します。でも、「誰からも見つけてもらえなかった」のは、やはり不思議な気がします。


複製画

その⑩「アレアレア(よろこび)」ポール・ゴーギャン

ゴーギャンも、ポスト印象派の代表的な画家のひとりで、ゴッホとも深い交流がありました。 ゴッホに負けず劣らず、なかなかエキセントリックな人生を歩んだ人ですよね。相当ぶっ飛んでいます。後期から晩年の、タヒチへ移住して現地の風景や人々を描いた作品が特によく知られています。

その中でも、彼が最初にタヒチへ渡った時に描いた「アレアレア」は、南国の暖かくて開放的な雰囲気が見事に伝わってくる作品だと思います。

特徴はなんといっても色使いでしょう。強い色彩と平面的な構図が、まるで現実の世界でなく楽園を見ているような印象を与えます。


複製画

オルセー美術館の基本概要、行き方など

地図からは、ノートルダム寺院からオルセー美術館を経由してエッフェル塔まで、散策して観光を楽しめそうに感じますよね。確かに歩けないことはありませんが、距離があるので(最短ルートで約5キロほど。実際はもっと沢山歩く事となるでしょう)、それなりに体力は使います。また、美術館や施設をゆっくり見て巡りたい場合は、丸一日を費やしても、すべてを見て回るのは時間的に厳しいかもしれません。

項目名 概要
開館/休館日

開館時間は、9:30~18:00。木曜のみ21:45までやっているようです。

休館日は、毎週月曜日。元日(1/1)やクリスマス(12/25)など。

入場料金

11ユーロ。日本語オーディオガイド等の利用は別途必要です。

混雑の目安

年を通じて比較的空いているのは午前中。15時前後が最も混雑する時間帯です。

私が訪れたのは6月の観光シーズン。開館直後の10時前に行きましたが30分程度並びました。

行き方

地下鉄(メトロ12号線)を利用する場合、最寄駅は12番線のSolferino駅もしくはAssemblee Nationale駅。駅からは徒歩5~10分です。

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By Ansun (Updated by Asatsuki)

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