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哀愁のフォロ・ロマーノ

ローマの中心地からコロッセオに向かって歩いていると、まるで古代ローマ時代にタイムスリップしたかのような、広大な遺跡が現れ思わず目を奪われます。

それは、フォロ・ロマーノ。いにしえの街並みを垣間見ることが出来る、どこか哀愁を漂わせた場所です。

ここがまさに古代ローマの中心でした

古代ローマ時代、各都市の中心にはフォルムという広場が置かれていました。

そしてフォロ・ロマーノ(Foro Romano)は、古代ローマのフォルム(フォルム・ロマヌム/Forum Romanum)の遺跡です。

つまりフォロ・ロマーノは、ローマ帝国の中心首都ローマのさらに中心だった場所ということになるんですね。

市民の娯楽の場コロッセオや皇帝宮殿も近くにあって、現在、入場券はコロッセオやパラティーノの丘と共通(12ユーロ)になっています。

アンさん

もちろんユネスコの世界遺産にも登録されていますよ。

私は数年前に訪れましたが、個人的には哀愁を感じ取りました。

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広大な敷地内には重要な遺跡が点在しています

広大な敷地内には、神殿や凱旋門といった紀元前の遺跡がごろごろあります。そして間近で見ると、全部が全部、想像以上のサイズでびっくりします。

こんなに色々な古代ローマ時代の遺跡が一度に見られるのは、フォロ・ロマーノをおいて他にはないくらいです。

どの遺跡も見ごたえたっぷりなのですが、その中でもローマに現存する凱旋門で一番古い「ティトゥスの凱旋門」や、立派で美しい柱が空に向かって高くまっすぐ伸びた「フォカ帝(フォカス)の記念柱」「サートゥルヌス神殿」「カストルとポルックス神殿」、近代に建築された凱旋門のモデルとも言える「セプティミウス・セウェルスの凱旋門」、一番きれいに当時の形を残す「アントニウス・ピウスとファウスティナ神殿」などなど、思わず歩みを止めて見入ってしまうほどのド迫力でした。

凱旋門
ティトゥス凱旋門
神殿
ファウスティナ神殿
凱旋門2
セプティミウス・セウェルスの凱旋門
奥にフォカス帝の記念柱が見えます。
神殿2
右手がサートゥルヌス神殿
神殿3
カストルとポルックス神殿。結構な高さです。

遺跡の中を自由に歩き回れるんです

アンさん

「見渡す限り古代ローマ時代の遺跡だらけ」なんて環境にいられることは滅多に無いので、すっかり夢中になってしまいました。

あさつき

私たち日本人にとっては、尚更もの珍しくインパクトがある光景かもしれませんね。

この世界遺産の敷地内には、聖なる道“ヴィア・サクラ”という道がまっすぐ通っています。
そして、その道を中心に遺跡たちの間を自由に歩き回って散策することができます。

園内の俯瞰写真

古代ローマ時代の建物のすぐそばまで行って触ってみたり、歩き疲れたらその辺の遺跡の残骸か岩かよく分からないようなものの上に座って休憩したりと、とことん自由に気の向くままにたっぷりとフォロ・ロマーノを堪能することが出来ます。

私は入場した瞬間からかなり興奮して、ありとあらゆる遺跡に近づいてまじまじと観察して回っていたのですが、ふと気づいた時には1時間以上たっていてびっくりでした。

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かのユリウス・カエサルが演説を行った場所です

フォロ・ロマーノは、ローマ帝国の基礎を築き世界史の教科書にも載っているユリウス・カエサルが演説をしたところでもあります。

点在する遺跡の中には、後世のローマ人たちがカエサルを神格化して造ったカエサル神殿の遺跡もあります。

何とも言えない空気感です

私がフォロ・ロマーノの中で時間を忘れてしまっていたのは、遺跡たちの凄さももちろんですが、遺跡全体に漂う何とも言えない独特の空気のせいもあったと思います。

古代ローマ帝国の繁栄の後、一時は忘れ去られていた場所である事も手伝ってか、神秘的な中にもどこか哀愁が感じられる雰囲気があり、そこだけ時間がゆっくり流れているような感覚を覚えました。

歩き回ってへとへとになって道のわきの岩の上に腰かけながらゆっくりと辺りの遺跡を見渡していくと、現実の感覚が薄れていって日常のことなんか全部忘れてしまいそうになりました。

柱

悠久のローマ

フォロ・ロマーノは細部を見て回るのも楽しいのですが、その全体像の美しさも魅力的です。

今は一部が崩れたりしている遺跡全部がもし当時のままの姿に戻ったとしたら、現代のローマの街と比べて一体どっちの方がきれいで迫力があったんだろうと想像してみた時、 今のローマっ子の方たちには少し申し訳なく思いますが、すんなり「今のローマの方がステキ」、とは言えないんじゃないかと思まいた。

改めて古代ローマ帝国の底力を感じ、そんなに強大だった帝国でも滅んでしまったんだよなと切ない気持ちになり(無論いきなり滅亡した訳ではありませんが)、 そんな悠久の古代ローマ帝国の面影を今でも間近に観光出来ることに感謝せずにはいられませんでした。

あさつき

その哀愁や切なさは、「荒城の月」(滝廉太郎)に通じるものがありそう。

あと、祇園精舎の鐘の声・・・(平家物語)とか。

アンさん

栄枯盛衰の儚さは世界共通なんでしょうね。

ちなみにフォロ・ロマーノの見学は夕方(日没)あたりまでとなりますが、コロッセオと同様に夜間はライトアップを楽しめます。

昼とはまた異なった表情を見せてくれる古代ローマの遺跡群。時間があれば、夜のそぞろ歩きをしてみてはいかがでしょう。

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By Ansun (Updated by Asatsuki)

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