
古都トレド!街の魅力と絶対に外せない大聖堂の見どころ8つ
トレドは、タホ川のほとりに広がるスペイン屈指の美しさを誇る古都。様々な文化が融合した独特の雰囲気が漂います。
16世紀からそこだけ時間が止まっているかのような優美なトレドの旧市街は、世界遺産にも認定されており、大聖堂は見どころがいっぱいです。
トレドの魅力はずば抜けています
トレド(Toledo)は、マドリッドから南に70㎞ほど行ったところにある、カスティーリャ・ラ・マンチャ地方の都市です。
人口は8万数千人程度ですので、日本基準で考えるとこじんまりとしたスケールに感じなくもないのですが、行政単位でいうとトレド県の県都でもあります。歴史的にも行政的にもとても重要な街と言えるのではないでしょうか。
筆者は現在スペイン在住でして、ここ数年来、この国内の色々な街を訪ねる機会があり、旅行・観光しては感動しまくっている訳ですが、個人的には、グラナダと並んでトレドの魅力はずば抜けていると思います。


Ansun
タホ川のほとりに広がる街並みは、ホントに思わず息をのむほど美しかったです。

Asatsuki
スペイン・アンダルシア地方住まいのアンさんが力説するのだから、凄く魅力的なところなんでしょうね。
まさに「私好みの街並み」とでも言いますか、16世紀頃の面影を今でも色濃く残すノスタルジックな雰囲気にすっかり魅了されました。
なお旧市街の全体は、1986年に世界文化遺産に登録されています。
様々な文化の面影が残る「古都」です。
トレドには、古代から人が住んでいたとされていますが、その後、古代ローマ帝国の支配下→ゲルマン人の西ゴート王国の首都→アラブ支配と目まぐるしい時代の流れの変化にさらされた後、1085年にレコンキスタ(キリスト教徒によるイスラム教徒支配からの奪還活動)で、今のスペインの原型となるカスティーリャ王国に奪回されました。
マドリッドが首都になるまでしばらくの間、トレドが首都とされていたことから、古都と表現されることが多いです。
また、西ゴート王国の時代からこの地域のカトリック教会の中核を担っており、それは現在でも変わっていません。
トレドにはカトリックとイスラム、さらにはトレドに長く住んでいたユダヤ人の文化全ての影響が色濃く残っています。街を歩いていた時、これらの異なる3つの文化が対立しあっているのではなく完璧な調和を見せているように感じました。
古い石橋からの眺めが素晴らしい
私は、マドリッドから日帰りバス旅行でトレドへ行ったのですが、時間的には電車の方が早く着くみたいですね。
まずトレドの駅やバスターミナルに着いたら、街の中心地へ入る前に、アルカンタラ橋(再建されているものの、ローマ時代よりタホ川に架かっていたとされています。)から街の全貌をぜひ眺めてみましょう。
また、サン・マルティン橋(14世紀築造なのでこちらも凄い歴史があります)からの眺望も素敵です。絵葉書そのままの景色はいつまで眺めていても飽きることはありません。

いつの時代に居るのだろう?
街の中心地は、細い道がくねくねに入り組んでいる上に勾配もかなりあるのですが、街自体が大きくないので好き勝手に歩いていても迷子になる心配は少ないです。方向音痴気味?の私も、道に迷いませんでした。
いにしえの城塞都市です。トレド名産の鎧や剣が置いてあるお土産屋さんや、刃物やさんがたくさん並ぶ旧市街を歩いていると、自分が一体いつの時代にいるのかわからなくなってしまいますよ。タイムスリップ気分を満喫できるというワケです。

トレド大聖堂の見どころ8つ
トレドに行ったら絶対見ておかないといけないもの。
それは大聖堂です。異論は認めません。(笑)

スペインカトリック教会の中枢ということもあってか、その佇まいは重厚感があり威厳に溢れていました。
ちなみに建物の規模も同国随一を誇っています。たとえば礼拝堂が20室以上あるそうですよ。
外観・内装ともに緻密で美しい装飾が施されており、価値の高い絵画なども収蔵されています。見どころを挙げるときりがない、すごい大聖堂です。
では、その見どころを8つのポイントに絞ってご紹介したいと思います。
①ゴシック様式の外観
フェルナンド3世が建設を決め15世紀に完成したゴシック様式で、増改築が繰り返されたからか外見が全体的に見てまとまっていない印象もありましたが、見上げてみるとその大きさは圧巻でした。鐘楼の高さは、およそ90mあまりあるそうです。

②主祭壇
数百枚のステンドグラスや大理石などで装飾が施されています。聖書のいろんな場面が表現された黄金の主祭壇。その豪華さと大きさに圧倒されました。

③聖歌隊席
私がとても気に入ったのは主祭壇の周りにある聖歌隊席でした。木製の席に施されたものすごく精巧な彫刻に見入っていると、それが一つ一つの席ごとに違った場面を表していることに気付いて夢中で見て回りました。
④マリア像
聖歌隊席の近くにあったマリア像はとても珍しいもので、実はこの大聖堂の見どころの一つになっています。何が珍しいかというと、マリア様が笑顔なんですね。マリア像は物悲しい表情のものが多いので、赤ちゃんのキリストを笑顔で抱いているこのマリア像は本当に印象的でした。
⑤トラスパレンテ
スペインバロック様式の最高傑作と言われています。バロック様式ならではの豪華絢爛な装飾が上から差し込む光に照らされてものすごい存在感でした。
⑥聖職者の間
部屋の壁全体にフレスコ画が施されていて、絵本の中にいるような感覚になりました。
⑦宝物庫
黄金の聖体顕示台が展示してあります。金色のお神輿のような形をした聖体顕示台自体は結構どこの大聖堂でも見ることができますが、トレドのそれは大きさで圧倒されます。
⑧聖具室
エル・グレコ、ゴヤ、ベラスケスといったスペインを代表する画家たちの作品が飾られています。
「聖衣剥奪」「十二使徒」といった作品が飾られているエル・グレコは、イタリアからやってきた「流浪のギリシア人」ではありますが、没するまで長きに渡り当地に居住していたことから、トレドと縁深い「ご当地画家」として語られることも少なくありません。
でも、個人的な一番の見どころは、ルカ・ジョルダーノの天井画「聖イルデフォンソの昇天」でした。

Ansun
あたたかい色味で柔らかい雰囲気の絵で、大聖堂の中に 天国が現れたような感じがしてとても印象的でした。
時間、料金等について
トレド大聖堂の見学には料金がかかります。
項目名 | 概要 |
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開館/休館日 |
月~土曜:10-18時 日・祝:14-18時 |
入場料金 | オーディオガイドとセットで10ユーロあまりです。 |
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By Ansun (Updated by Asatsuki)