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息をのむ美しさ~アルハンブラ宮殿

スペイン・アンダルシア地方のグラナダ市にあるアルハンブラ宮殿は、イスラム建築の最高傑作とされており、世界遺産にも登録されています。

アルハンブラを訪れた時、宮殿内の緻密で幻想的なアラベスク模様の空間に圧倒され、その美しさに息をのみました。

アルハンブラ宮殿はどこか哀愁を帯びています

アルハンブラ宮殿はスペイン南部のアンダルシア地方内陸部にあるグラナダ市の、小高い丘に位置します。

その規模の大きさからスペインのアラブ時代の最盛期を象徴する建物のように思うかもしれません。
でも実は、イスラム教徒の勢力が段々衰退していく最後の時期に建てられた宮殿なんです。

宮殿一部

アラブ時代の最盛期に中心となっていたコルドバをキリスト教徒の軍に制圧されたため、当時のアラブの王はグラナダに首都を移しました。そして、ナスル朝の王国の象徴としてアルハンブラ宮殿を建てました。

グラナダの王国は約2世紀にわたって栄えるものの、1492年にキリスト教徒の軍に無血開城されることとなり、これと同時にスペインのアラブ支配時代は終わりを告げることになりました。

宮殿全体に漂うどこか哀愁を含んだ空気は、アルハンブラ宮殿にまつわるこんな歴史的背景から来ているのかもしれません。

豪華絢爛な世界遺産です

宮殿の内部は、アラブ時代衰退の時期に建てられたとはとても思えないほど豪華絢爛で美しく、芸術的な価値も高いとされています。

1984年には、「グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン地区」として、世界遺産に登録されています。

宮殿1

アラビア風の名称の由来

アラビア語で「赤い城塞」を意味する言葉が、スペイン語になまって「アルハンブラ」と呼ばれるようになりました。

スペイン語ではAlhambraと書かれ、日本では「アルハンブラ」で知られています。でもスペイン語ではhを発音しないので、現地では「アランブラ」と呼ばれているんですよ。

圧巻のイスラム建築、ナスル朝宮殿

アルハンブラ宮殿の敷地内には、ナスル朝宮殿、パルタル庭園、ヘネラリフェ、アルカサバ、カルロス5世宮殿といった色々な建物や見どころがあります。

とりわけ重要かつ圧巻なのはナスル朝宮殿です。

宮殿の入場チケットを買う時には、このナスル朝宮殿に入場する時間を選ぶ仕組みになっています。アルハンブラ宮殿の他の部分は時間に関係なく好きに見て回れますが、ナスル朝に入るには必ずチケットに印字された時間通りに入場しないといけないんです。

アルハンブラ宮殿の敷地内で、ナスル朝宮殿にだけはベビーカーを持って入れないので、入場前に近くのロッカーに預けることになります。

息をのむアラベスク模様の美しさ

アンさん

筆者が初めてアルハンブラ宮殿を訪れたのは、初めての海外旅行でスペインをツアーで回っていた時でした。

わたしはヨーロッパのカトリックの影響が色濃い絵画や建築物といった文化が好きでスペイン行きを決めたので、イスラム教の宮殿と聞いてもいまいちピンと来ず、ツアーに組み込まれてるからとりあえずついていったという感じでアルハンブラ宮殿に行ったんです。

でもナスル朝宮殿に足を踏み入れた瞬間、そのとんでもないスケールに言葉を失うことになりました。

宮殿壁1
宮殿壁2
宮殿壁3

宮殿内の全ての壁と天井に余白の部分がないほどびっしりとアラベスク模様、幾何学模様が彫り込まれたその空間は、まるで幻想の世界に迷い込んだような美しさでただただ圧倒されました。

今まで自分が全く知らなかったイスラム建築や美術が、こんなにすごいものだったなんてと、自分の無知が恥ずかしくなったほどです。

アンさん

あんなに凄い空間には、後にも先にも入ったことがありません。

二姉妹の間の天井

宮殿天井1

特に二姉妹の間の天井は優美で綺麗でした。見上げていると、まるで万華鏡の中に吸い込まれていくようで、時間が経つのを忘れてしまいそうになるほど幻惑されました。

アラヤネスの中庭の青い池

アラベスク模様以外にもナスル朝宮殿内には見どころが満載です。その代表的なものは、コマレス宮のアラヤネスの中庭の青い池でしょう。

アラヤネス

アルハンブラ宮殿内には、うだるような暑さが続くグラナダの夏を涼しく乗り切る工夫なのでしょうか、噴水や池などの水をあちこちで見ることができますが、この青い池は宮殿内部に数ある水の芸術の中でも最高傑作と言われています。

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ライオン宮のゆるキャラ風ライオン

中庭のライオン?たちは、どこか迫力に欠けた顔立ちがかわいらしく、思わず一緒に写真をとりたくなってしまいますよ。

ライオン
ゆるキャラ(^^♪
宮殿柱
緻密な幾何学模様を施した柱に驚愕です!!

アルバイシンからアルハンブラ宮殿の全貌を見よう

アルハンブラ宮殿内部も見どころたっぷりですが、宮殿の全貌もやっぱり見ておきたいですよね。

アルハンブラ宮殿の全貌を見るには、やっぱりアルバイシンです。

アルバイシンとは、グラナダの中に残るイスラム教徒によって作られた街並みで、同じく世界遺産に登録されています。

アルバイシン夜景
アルハンブラ夜景

ここの高台のサン・ニコラス展望台からみるアルハンブラ宮殿の佇まいは思わず見とれてしまうほどキレイなんです。

アンさん

夕日が沈んでいく時間帯に行ったことがありますが、とってもロマンチックな風景でした。

グラナダはアラブ文化の名残りを留める街です

アルハンブラ宮殿が所在するスペイン・グラナダは、アラブ時代の最後の首都だったこともあり、近代的な街並みの中のあちこちに未だにアラブ文化の名残りを見ることができる、不思議で魅力的な街です。

グラナダ街並み

テテリアと呼ばれるカフェは雰囲気たっぷりな上アラブ式のおいしいお茶が飲める楽しいスポットですよ。

またグラナダは、ドリンクを頼むとサービスでタパスと呼ばれる小皿料理がついてくるというタイプのスペイン式バルでも有名です。少しずつ飲食をしながらお店をハシゴするのが、ここでの食事の楽しみ方の定番とされています。

アルハンブラ宮殿へのアクセス

アルハンブラ宮殿は、グラナダ市から南東にすこしはずれた丘の上にあるので、町の中心部からバスに乗って行かないといけません。

イサベル・ラ・カトリカ広場とアルハンブラ宮殿を往復している、アルハンブラバスの30番が便利ですよ。

アルハンブラ宮殿の入場券については当日券もありますが、スペイン有数の超人気の観光地なので売り切れていることも多々あります。

行ったはいいが入れなかった・・・というようなことにならないためにも、あらかじめインターネット等で予約しておく方が安心でしょう。

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By Ansun (Updated by Asatsuki)

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