
セビージャの大聖堂とヒラルダの塔
セビージャ(セビリア)は、経済的にも文化的にもアンダルシア地方の中心である魅力的な都市です。
スペインで一番大きな大聖堂と隣にそびえるヒラルダの塔は、必見の観光スポット。
セビージャの歴史を色濃く反映した歴史地区のシンボルとして愛されています。
アンダルシアの魅力を凝縮した都市、セビージャ
セビージャ(Sevilla)は、アンダルシアの州都でアンダルシア最大の都市、さらにスペインでも4番目に大きな街でもあります。
近代的な新市街と歴史的な旧市街が共存していて、歴史地区はアンダルシアの魅力を、ぎゅっと凝縮したような趣にあふれています。
セビージャの歴史は長く、起源はローマ時代にまでさかのぼります。その後のアラブ支配時代には一大王国として栄ええました。
フラメンコの本場で、連日ハイレベルなダンサーによる公演が行われていることでも有名なんですよ。


音楽の教科書に載っている「セビリアの理髪師」、これで学生時に刷り込まれた日本人は少なくないと思います。
その割には、まともにこのオペラを鑑賞したことが無い人が大多数という(笑)

一般的には、「セビリア」の表記がしっくりくるかもしれませんね。
でも、スペイン語の発音に近いのは、「セビージャ」とか「セビーリャ」なんです。

ヨーロッパ在住のアンさんは、耳によく馴染んでいるんですね。
近年では、地元のクラブ(セビージャFC) が知られているので、サッカーファンの方なら、あまり違和感は無いかもしれませんね。
アメリカ大陸との貿易の中心地として発展しました
かのコロンブスがアメリカ大陸を発見した時、セビージャの近くのパロス港から出港したそうです。そしてその後、この街はアメリカ大陸との貿易の中心地となり、大きく発展しました。
海運が主要な貿易手段だった時代です。セビージャはアンダルシア内陸部なのに、どうやって貿易の中心地になったの?と疑問に思う人もいると思います。なるほど、確かに都市そのものは海に面していませんものね。
それには理由があります。
セビージャにはアンダルシアで一番重要な川である、グアダルキビル川が流れていて、その河岸に商業用の大きな港があるんです。
地中海と繋がるその港は、今でももちろん使われていますよ。

スペインのフライパン?
気候についてですが、アンダルシアの内陸部にあるセビリアの夏は、とてつもない猛暑が続きます。

スペインのフライパンという異名があるんですよ。

いかにも暑そうな「たとえ方」ですね!
セビージャの大聖堂
セビージャ大聖堂そしてヒラルダの塔は、一つの敷地内にあって、一緒に見学することができます。
1987年に、世界遺産にも登録されています。
(セビリアの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館)
スペインで一番大きい大聖堂で、さらに私が好きなゴシック様式ということで、私はセビージャに行くと決まってから、この大聖堂とヒラルダの塔を見るのを何よりの楽しみにしていました。
まずは大聖堂から見学しました。

想像以上に大きくて迫力がありました
大聖堂を実際に見た感想は、想像以上に大きい!でした。
ただでさえ厳粛な雰囲気が漂うゴシック様式の大聖堂がさらにあそこまで大きいと、近くに行くと、ほんとに有無を言わせぬ威圧感を感じ、強烈な迫力がありました。
大聖堂の内部では、頭を真上に持ち上げないと見渡せないくらいの高い天井や、黄金の祭壇の絢爛豪華な凄さにただただ感嘆していました。




大きなコロンブスのお墓があるんです
この大聖堂の見どころはたくさんありますが、なかでも注目だったのは、コロンブスのお墓です。


その当時の権力者である、王様たち4人の像が棺を担いでいるそうですが。

コロンブスがスペインにもたらした富の大きさを考えたら、王様たちに担がれているのにも納得がいきます。
オレンジの木の中庭で一休み
大聖堂の中身を隅々まで見て回ったのですが、大きすぎて結構疲れました。
見学の途中で、礼拝用のベンチに座って休憩したりもしていたのですが、大聖堂の見学を終えてヒラルダの塔に登る前には、オレンジの木の植わった中庭でのんびりして体力を回復しないといけませんでした。

大聖堂に中庭があるのは珍しいらしいですが、かつてこの場所にモスクが建てられていた名残だそうです。
オレンジの木の中庭は本当にかわいくて、大聖堂の厳粛な雰囲気の中で見るオレンジの実たちはポップなのですが妙に雰囲気にマッチしていて、何とも言えない趣が漂っていました。
中庭にはお土産物屋さんもあって、休憩がてら覗いてみました。いい気分転換になりましたよ。
ヒラルダの塔
大聖堂の建っている場所には、かつてモスクがあったそうです。
現状からは、「言われないと分からない事実」なのですが、ヒラルダの塔については、壁に施されたアラベスク模様から、イスラム建築だということが一目で分かります。
ヒラルダの塔は、アラブ支配時代に建てられたモスクの尖塔に、あとから一番上の鐘楼部分が付け加えられたものです。

セビージャのシンボルです
私が行った6年程前には、このヒラルダの塔がセビージャで一番高い建物だったのですが、最近になって建てられたアンダルシア地方初の高層ビルに抜かれてしまいました。
それでもヒラルダの塔は、地元の人に今でも変わらず愛され続ける、この街のシンボル的な存在です。
セビージャの歴史地区を歩いていると、あちこちでこのきれいな塔の姿が見えて、その度に見入ってしまいました。


まさに「ランドマーク」みたいな存在なのですね。

異文化のものでも素晴らしいものは残して活用するという、「この時代のスペインの考え方」は、とても好きです。
塔へ登るには坂道(スロープ)を上がっていきます
ヒラルダの塔に登るには、塔の中の坂道を延々と上って行かないといけません。
人がすれ違えるくらいの幅のスロープです。
登り始めた時は何で階段じゃなくて坂道なのか不思議で仕方がなかったのですが、ロバも通れるようにとの工夫らしいです。
いつ終わるとも知れない坂道をぐるぐると登っていくのは、メンタルにも足にも、もの凄く堪えました。


ちなみにこの坂道(スロープ)、登るのもそうですが、降りる時のほうがより足にきます。
見学の際は、スニーカー推奨!です。
ごほうびは、ステキな眺望!
塔の上から見るセビージャの街並みは、やっぱり流石・ステキでした。

まるで、頑張って登ってきた「ごほうびをもらったみたい」でした。


まちを流れるグアダルキビル川と、その周りに広がる近代的な街並み、そして歴史的な街並みとの調和は、セビージャの街の歴史の長さと、この地域で常に重要な都市として存在していた「実績と誇り」のようなものを感じました。
殆どふらふらな状態で塔から出た私は、そのまままっすぐに近くのバルに直行して、休憩しながら昼食を取る事にしました。
午前11時開館に合わせて入って、それから午後2時前まで、大聖堂やヒラルダの塔の中に3時間近くいたことになって、ちょっとびっくりしました。
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By Ansun (Updated by Asatsuki)