
渓谷と闘牛の都市 ロンダ
ロンダは、スペインのアンダルシア地方へ旅をするのならぜひ立ち寄って欲しい都市です。
深い渓谷を橋でつないでその両側に広がった街並みはまさに絶景。また、近代闘牛のスタイルが確立した地でもあります。
ロンダ全体に漂う素朴な雰囲気は心地良いですよ。
ロンダは渓谷を橋でつないで出来た都市です
ロンダ(Ronda)は、スペイン内外で人気の観光地です。
でも日本国内においては、他のアンダルシア地方の観光スポットと比べると、知っている人はやや少ないかもしれません。
独特な自然環境に築かれた古代都市の外観は、周辺に広がる自然の景色と合わさって壮大で美しい景観を演出しています。


Ansun
マラガ県の山側、海抜739mの台地にあるこの都市は、渓谷を石橋でつないで両側に広がるという、他ではなかなか見られない形態をしているんです。

asatuki
昔、人がここに住み着き定住したのには、何か理由があるのでしょうね。

Ansun
さて。私がロンダを訪れたのは、秋から冬への変わり目の頃です。
観光シーズンからは外れていたのですが、それでも橋の上には、たくさんの観光客の人たちがいて記念撮影を楽しんでいました。
素朴でディープなアンダルシアの魅力を体感出来ます
人が生活を営むにあたって、決して快適な環境ではない土地だと思えるのですが、ロンダ周辺には、古代より集落があったようです。
民族間、国家間において、これまで様々な歴史的ないきさつがあり、この土地に「都市や砦」を形成する、何らかの意味合いがあったのでしょう。
現在、人口35,000~40,000人程度の、この地域にしてはそこそこの規模のまちではあるのですが、アンダルシアの田舎といった雰囲気を、まちのあちらこちらで感じることが出来ます。
素朴でありながらも力強さを感じる雰囲気は少しも気取っていなくて心地良く、とてもゆったりとした気持ちにしてくれます。
都会とは少し違った「ディープなアンダルシアの魅力」を体感するには、ロンダは本当にうってつけの場所といえます。
内陸部は冷えるんですね



マラガ県の沿岸部は秋でも結構暖かいので、ロンダもあんまり変わらないだろうと薄手のジャケット&マフラーで行ったのですが、寒くて驚きました。

内陸部の標高の高い場所にあるので、平野部とは気候が異なるのでしょうね。

あまりに寒かったので、慌てて現地の商店街でコートを調達する羽目になりました。
ランドマークのヌエボ橋
ロンダの第1のランドマーク、それは断崖・渓谷に架かるヌエボ橋(プエンテ・ヌエボ/Puente Nuevo)です。



私に限らず、初めてロンダに観光に訪れた人は、まず真っ先にこの橋を目指します。
スペイン語で「新しい橋」を意味するプエンテ・ヌエボは、8世紀に完成したという石造りの重厚な橋です。
橋の造形そのものが見応えがあるのですが、橋の上から見る町の外に広がる自然の景色は、まさに絶景です。
渓谷が深い(100mオーバー)ので、橋の上にいるのが少し怖かったりもしたのですが、つい恐る恐る橋から身を乗り出して堪能したくなる景色でした。

壮絶?で素敵な「まち歩き」
ヌエボ橋は、旧市街と新市街をつないでいます。
この旅の時私は、この橋を、ホテルやレストランそしてショップがひしめくにぎやかな新市街から、落ち着いた雰囲気の旧市街に向かって渡りました。
旧市街をうろうろしているうちに、町の外に出る道を見つけました。
町を外から間近で見れるかもと思ってそのまま草原に踏み出したものの、野道を歩き慣れていないわたしはすぐにくたびれて町の外に出たのを後悔していました。
でも今から考えると、本当にその道を行って良かったと思っています。
野道を結構歩いてたどり着いたその先には、岩肌に食い込むように渓谷をまたぐヌエボ橋の全景が待っていました。
この時見た景色は、「ロンダ旅」の一番のハイライト。思い出に残っています。


買ったばかりのブーツがボロボロになった事もどうでもいいくらい印象的な景色でした。

ブーツがボロボロって。。。なんだか壮絶な散策だったようで(笑)
由緒正しい闘牛場
ロンダにあるもう一つの大きな見どころ。それは闘牛場です。
このロンダの闘牛場にあるような、赤と白のシンプルな外観は、歴史ある闘牛場の証でもあります。
この街の規模を考えれば、やや不相応と言いますか、かなりの大きさがあってびっくりしたのですが、実はロンダは昔から闘牛が盛んな地で、今行われている近代闘牛のスタイルを確立した場所だということで納得しました。


それはどういう事ですか?

古来より闘牛士は、馬に乗って牛と対峙していたそうですが、あるハプニングがきっかけで、地面に立って戦うようになったんです。18世紀ごろのお話です。
楽しく見学出来ました
闘牛場は中を見学することができて、アリーナや観客席それに舞台裏まで見て回れます。
実際に闘牛で登場する馬までいて驚きました。
アリーナ部分を走り回ったり、色々な角度の観客席に座って闘牛を観戦している気分になったりと、思った以上に楽しめましたよ。


闘牛場の中にあるお土産屋さんでは、この闘牛場で過去に行われた闘牛の名シーンの絵葉書が売られていました。
個人的には、実際に闘牛を見るのは怖いのですが、写真で感じる臨場感だったら安心して楽しむことができましたよ。
ロンダの食事、行き方
素朴で、どこかしら親しみが湧く渓谷の田舎まち、ロンダ。
アンダルシア内陸部の原風景を体感したい方には、とてもおススメの観光スポットです。
では、現地での食事事情や行き方などについて、私の体験をお話いたします。

バルでタパス
現地では、飲食店(バル)が沢山営業していています。
軽くお腹を満たすのであれば、バルでタパスをつまむのがリーズナブルでしょう。
タパスとは、いわゆるオードブル的な感覚の小皿料理です。
コーヒーや紅茶などの飲み物は、1杯1~2ユーロ程度だったでしょうか。
ちなみに私は散策の合間に、ヌエボ橋の近くにあって橋や風景を間近に見られるレストランで、ビザなどの軽食類を食べました。
そのレストラン、確かに眺めは素晴らしかったのですが、やっぱり「観光客料金」で割高でした。


街に公衆トイレとかは無さそうですよね?

無料で利用出来るトイレは見かけませんでした。
バルで食事をする時や、カフェでお茶をする「ついでに済ませる」のが良いと思います。
なお、闘牛場については「トイレ有り」なので安心!です。
バスで日帰り観光もできます
私は、自動車でその辺りの地域の町を幾つか巡っている中でロンダに立ち寄り、当地で一泊しました。
ところで、これまで、この街を「田舎だ、素朴だ」と強調してまいりましたが、そう聞くと、行き方が大変な感じがするかもしれません。
でも、それほど心配しなくても良いと思います。
マラガやセビージャ(セビリア)といった主要都市から直通バスが出ているなど、日帰りでも行ける距離なので、案外簡単に行って観光することが出来ますよ。
バス旅の所要時間は、その日の天候、交通事情、便によって変わるのですが、3時間くらいを目安にしておけば、余裕を持ってスケジュールを組めるでしょう。
出発地 | バスでの片道時間 |
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マラガ | 2時間弱から3時間。 |
セビージャ | 3時間弱くらい。 |
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By Ansun (Updated by Asatsuki)