
別府 地獄めぐり
別府の地獄めぐりは、九州大分の当地を旅行した際の定番的な温泉観光であり、国内最大規模の湧出量と源泉数を誇る温泉の魅力を体感するには、もってこいの楽しみ方ではないかと思います。
地熱や湯を活用して動植物の飼育栽培を行なっていたり、温泉由来の食品の販売をしている点にも興味をそそられます。
そこで、オーソドックスな地獄めぐりの方法や、多彩で由緒ある別府八湯のお風呂の事などについて見てみました。
地獄めぐりの歩き方
大分県の別府における、温泉にまつわる観光と言えば、今も昔も「地獄めぐり」が鉄板・定番だとされていますよね。
別府市内の温泉には、自然に演出されたその恐ろしい光景から、「地獄」と呼ばれている観光スポットが実にたくさんあります。まさに地獄だらけです。で、一般的には、「別府地獄組合」(ど迫力の名称ですね)に加盟している8箇所のスポットを観光する「地獄めぐり」が最もメジャーとのことです。

ところでこの8箇所、テーマパークのようにまとまって一箇所に所在しているのではなくて、あちらこちらにバラバラに点在しているという訳なので、観光するのが面倒そうに思いがちですが、調べてみると決してそうではありません。
と言うのも、8箇所のうちの6箇所が、別府八湯のひとつである「鉄輪温泉」エリア内に集中して所在しており、散策気分で気軽に観て回る事が出来そうだからです。そして、残りの2箇所は、鉄輪温泉の北方面、柴石温泉の東方面、野田にまとまって所在しているので、この2箇所へは、車(バスで約5分)を利用して行けば良いと思います。
8つの「地獄」の位置
鉄輪温泉のエリア内には、6箇所が点在しています。
(東から西に向かって)
白池、鬼山、かまど、山、鬼石坊主、海
現状の拡大倍率では、全てが表示されていない可能性があります。
そして、残りの2箇所は、柴石温泉郷の東(野田)に所在しています。
血の池、龍巻
白池地獄(名勝指定)
温度と圧力の低下で青白く変化した湯。温泉熱を利用した熱帯魚館(水族館)が併設されています。
和風庭園内にあります。他の地獄と比較すると穏やかな雰囲気かもしれません。
鬼山地獄
大正時代より80頭ものワニを飼っているそうです。別名ワニ地獄。
山地獄
岩肌や地面から噴気が立ちのぼるロケーション。象、猿、カバ他を飼育。プチ動物園ですね。
海地獄(名勝指定)
1200年前の鶴見岳の爆発により出現。天然の美のコバルトブルー。別府最大規模です。
まるで南国リゾートの海のようなコバルトブルー。でも絶対に泳いではいけません。笑

鬼石坊主地獄
ふつふつと湧き上がる灰色の熱泥の形状が、坊主の頭に見える事に由来との説も。
施設内では足湯も楽しめます。また「鬼石の湯」では入浴可能です。

血の池地獄(名勝指定)
奈良時代より知られる日本最古の地獄とのこと。酸化した熱泥が噴出し、まるで血をたたえたような光景に。

龍巻地獄(名勝指定)
30~40分間隔で噴き出す超高温度の間欠泉。間欠泉は別府市の天然記念物に指定されています。
別府地獄で最も高温(摂氏105度)。本来、囲いが無ければ50m程度は吹き上がるそうです。
観光データ
項目名 | 概要 |
---|---|
営業時間 | 8:00~17:00(年中無休) |
入場料 | 1箇所あたり400円程度~ |
名勝とは | 4箇所が「別府の地獄」として、H21.7月に国の名勝に指定されています。その独自性や多様性、観賞的・名所的・学術的な価値が高く評価された訳ですが、実は大分県下では、86年ぶり2件目なのだそうです。(もう1件は大正7年指定の耶馬渓) |
アクセス | 鉄輪エリアの6箇所については、散策がてら徒歩で周遊するのも良いかも。JR別府駅からバスが出ています。全8箇所を巡る定期観光バスも運行されているそうです。 |
まだある!温泉・地獄スポット
国内屈指の温泉地帯である大分県別府市内には、かつては、地獄組合加入8箇所の「地獄めぐり」の他にも、沢山の地獄スポットが点在していたそうです。しかし、お湯の湧出量の低下をはじめとする諸般の事情で、その多くの地獄は閉鎖されたとの事。
ちなみに、下記の地獄スポットは現存しています。
坊主地獄
日向灘地震(15世紀前後)の爆発によって延内寺と言う寺が吹き飛び出現。熱泥がふつふつと湧き上がっています。
大分県の天然記念物に指定。血の池、龍巻と共に「別府三大地獄」に数えられる名所です。(住所:小倉6)(入場料400円)
鶴見地獄
霊泉寺の境内に所在しています。勢い良くゴウゴウと音を立てながら湧出しています。
ごく普通の住宅が多いエリアに所在しているようですね。(住所:南立石1965-16)
金竜地獄
地獄最多の湧出量を誇り、近隣地域の温泉へも供給している強力源泉。中華街風のオリエンタルな雰囲気、
地熱を利用した温室が設置されているなど独創的です。休館中?との情報有り。(住所:大字鉄輪321)
明礬地獄
「湯の花」の産地・採取場として名高い(国の重要無形民俗文化財です)、明礬温泉の旅館・岡本屋近くに所在しています。
近年に整備された「地獄のニューフェース」。展望台からの眺望もよろしいとか。売店で販売されている地獄蒸しプリンを食べてみたいです。
立ち寄り湯(500円)有り。(住所:大字鉄輪321)(入場料200円)
別府八湯について
私たちは通常、「別府温泉」と、ひとまとめにしていますが、当地には、大小数多くの温泉があり、源泉数は、なんと!数百にも及ぶそうです。さすが湧出量&源泉数が日本一のことだけあります。
そして、それらの中でも、代表的・伝統的な8つの温泉郷をまとめて総称する時に「別府八湯」と称します。
別府八湯を、市の南~北方面へ向けて列記してみましょう。
浜脇(はまわき)、 別府(べっぷ)、 観海寺(かんかいじ)、 堀田(ほりた)
亀川(かめがわ)、 鉄輪(かんなわ)、 明礬(みょうばん)、 柴石(しばせき)
別府温泉
中でも竹瓦温泉は、明治より営業している由緒ある浴場で、現在の建物も昭和13年建築という年代物。別府温泉のシンボル的存在と称されています。情緒ある佇まい。痺れますね~。砂湯が名物(1,000円)で、普通入浴ならなんと100円のようです。
明礬温泉
標高400mに所在。乳白色の湯が綺麗です。「別府温泉保養ランド」などでは、珍しい泥湯にも入浴出来ます。また「湯の里」には、湯の花小屋を再現した家族風呂(1,500円/時間~)があります。
(別府八湯の泉質について)
温泉法に基づく「療養泉」によると、11種類に分別されています。国内最多の源泉と湧出量を誇る当地では、この内の10種類の泉質の湯が湧いているそうです。
別府での思い出

子供の頃に別府で宿泊したホテルの大浴場は、いわゆる「ジャングル温泉」(南半球の熱帯をイメージした造り)でした。
私は、子供の頃に家族旅行で当地を旅行した事があるのですが、ホテル内のジャングルのような大浴場に驚愕した事や、食事のバイキングで、平素、家庭の食卓ではお目にかかれないような(要は親が作らないような)オリエンタルでエスニックな料理を食べる事が出来て嬉しかった事、そして映画館へ行った事や、南洋風の花が美しかった事などは微かに覚えているのですが、なぜか、別府ならではの観光をした記憶が一切ありません。
ほぼ間違いなくワタクシ、この時の旅行では「地獄めぐり」は体験していないのでしょう。

それにしても、せっかく九州の大分・別府まで旅行に来て、なぜに映画鑑賞したのでしょう?
確かに昔は、巨大温泉地は、企業の慰安旅行・接待等で利用する集団宿泊客を得意客としていたので、温泉施設や街全体が総体的に「大人(特に男性)仕様」になっていて、ファミリーや子供が楽しめる要素が少なかったのかもしれません。
それに、そもそも温泉地は、子供が遊びに行くような観光地ではなかったですよね。大人が行楽に行くところでした。もしくは湯治。現在では、ベタな温泉地の別府と言えども、家族風呂を完備したファミリーユースや、女性の方が癒されそうな洒落たサロン感覚の旅館やホテルがあったり、レジャー観光施設も色々とあるのでしょうが。
そんな訳で、当時「間が持たない」と考えた親が、子供の機嫌を取るべく「映画でも見せておこうか」と、連れて行ったのかもしれません。親は一緒に鑑賞していなかったと記憶しています。私が映画を観ている2時間ほどの間、のんびり別府の街を散策していたのでしょう。(ちなみにアニメ映画を観ました。)
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By Asatsuki (Updated )