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由布院の温泉と美術館でほっこり

由布院(ゆふいん)は、国内屈指の人気を誇る温泉エリアですが、美術・工芸に関する観光スポットも多彩です。

九州大分県の由布院に旅行した時には、お湯に入って、それから美術館でアート体験をして、ほっこり過ごしてみたいです。

由布院にはアートな施設が多いみたいですね

近年、マスメディアが実施する旅行関連のアンケート調査において、常に人気ランキング上位を維持しているのが、大分県の由布院温泉です。幅広い世代の方たちから支持されているのですが、とりわけ女性の方たちに好評のようです。

きわめて日本的な自然に抱かれた叙情的なロケーションの、素朴で和風な温泉エリアでありながら、西欧的なリゾート思想を取り入れたような、街づくり・イメージ作りが、他の温泉には無い洒落た雰囲気を醸し出しているのかもしれない、と、個人的には思います。

ゆふいんの街

温泉街にありがちな歓楽施設がそれほど存在せず(それなりに賑やかな通りもあります)、その一方で、ヨーロピアンな辻馬車やスカーボロ(クラシックカー)で、観光・散策を楽しめたり、美術・工芸関連の施設が点在している事、そして、グルメやスイーツの人気店が幾つもあるところなど、女性の方たちの琴線に触れるポイントが多々あるのでしょう。

ところで大分の由布院には、前述の通り、アートな温泉街・・・・とでも言いましょうか、美術工芸関連の施設が多いのが特色と言えるのではないでしょうか。

たとえば、ゆふいんの玄関口であるJRの駅舎からして、建築家・磯崎新さんによる斬新なデザイン(ヨーロッパの礼拝堂をイメージした黒っぽい建物)ですし、駅舎の中には、アートギャラリーが設けられています。

そしてまたたとえば、名所の一つである金鱗湖の周辺には、シャガールが展示されている美術館や、九州湯布院民芸村があり、さらに湖の西方面(ゆふいんの真ん中あたり)には、現代アート&カルチャーがテーマのお洒落な美術館(旧由布院美術館跡地)があります。

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訪れてみたい美術館

「美術・芸術」と「温泉」には、直接的な関連性はありませんが、旅行者にとっては、リラクぜーションや、ヒーリング、あるいは、非日常性の体感、といった意味において、アートと温泉には共通性を見出す事が出来るのではないでしょうか。

例えば次の4つの個性的なミュージアム。大分へ旅行した際には、ぜひ行ってみたいです。

COMICO ART MUSEUM YUFUIN

2017年、由布院美術館が閉館した跡地に新たに建設され開館した施設で、スマホゲームなどのデジタルコンテンツ開発・供給を展開しているNHN JAPANが運営しています。

隈研吾(東京都の新国立競技場を手掛けた建築家です)の設計による2階建ての黒を基調とした、木材をふんだんに使用した落ち着きのある「和モダン(安直な表現ですがお許し下さい)」な建物は、周囲環境にも上手に溶け込んでいるのではないでしょうか。

1Fがギャラリーで、基本的に村上隆と杉本博司の作品が展示されています。

2Fには、ラウンジ、テラス、屋上庭園があります。

COMICO ART MUSEUM YUFUINの観覧については、予約制となっています。いきなり訪れても見せてもらえない可能性が高いです。

また、スタッフの案内によるツアー形式(約60分間)である点も特徴でしょう。自由気ままに見て回る事はできません。

開館時間は09:30~17:30、観覧料は一般1200円、隔週月曜日が休館日となっています。

(旧)由布院美術館について

放浪の詩人画家と言われている、佐藤溪の作品を展示収蔵する目的で、1991年に設立された美術館で、かつては「佐藤溪美術館」と称していました。懐かしさ漂う小学校のようなテイストの建物は、独創的な建築家集団「象設計集団」によるもの。小山をくり抜いた感じの展示スペースが可愛らしい施設でした。

佐藤溪(1918ー1960年)の作品をメインに展示していました。生前においては、ほぼ無名の存在だったようです。ちなみに、画家と湯布院との縁は、両親が当地に住んでいた事や、自身がこの地で没した事などが挙げられます。

彼について少し調べてみたところ、広島生まれで東京の絵画関連の学校を出ています。そして、第二次世界大戦時には、出兵していました。そして、全国の色々な場所へ、ぶらっと旅をしながら詩作や描画に励んだのは、戦後になってからのようです。

とりわけユニークだなあ、と思ったのが、1950年前後頃に、車輪付きの狭い箱の中で生活していたという、ウソの様な本当のエピソードです。「箱男」(安部公房の小説)ならぬ、「箱車男」ですねえ。ひまわりのように、陽光の射す方角に常に向いて設置出来る点が、本人としては気に入っていたみたいですね。

この事については、当時の新聞の記事にもなりました。社会全体がまだ貧しく煩雑だった時代の話ですが、随分と風変わりで面白い「絵描きのおじさん」と思われていたようです。でも、社会的ネガティブの「箱男」とは違って、自由で開放的な気持ちで、貧しいながらも「まったりと」暮らしていたのではないかと想像します。

ちなみに由布院美術館には、入館者ならば無料で利用出来る「ともだち足湯」がありました。「ともだち」のネーミングの由来は、佐藤溪の作品や画集のタイトルに関係しているみたいです。大きな石臼みたいな造形をした足湯で体験型のアート作品(体験型オブジェ)でもあったそうです。

マルク・シャガールゆふいん金鱗湖美術館

Sur les toits de Paris

金鱗湖は、お湯も湧出していて、特に朝や寒い時期は、水面から霧(あるいは湯気)が立ち上ってくる光景が、幻想的で美しいそうですが、湖畔に建っているヨーロッパ調の建物が、マルク・シャガールゆふいん金鱗湖美術館です。油絵ではなくてリトグラフ作品が展示されているとの事です。(美術館の営業時間はAM9:00~17:30)

カフェテラスやケーキ工房がありランチやスイーツも楽しめます。雑貨・家具のショップやギャラリー併設されています。音楽ライブも開催されていて、過去には原田知世さんも出演したとの事です。で、なぜ由布院にシャガールなのでしょうね?(なにかいわれや理由があるのかもしれません。)

サイト管理人が、子供の頃に初めて観に行った絵画展がシャガールでしたが、ファンタジックで自由で愛らしくもある画風は、由布院のロケーションとマッチしているような気もします。

空想の森アルテジオ

斬新でモダンな館内には、マティスが展示されているようですが、なんと言っても音楽をテーマにしているところが特徴。

ウォーホル、ジョン・ケージ、マン・レイ、有元利夫などの作品を楽しめます。藤田嗣治や草間弥生が展示される事もあるようです。(展示作品は定期的に変わるようです)ヤコブセンのソファーにも腰掛ける事で出来るようですね。

チェンバロやピアノ等によるコンサートも開催されています。また、イタリアンレストランやショップ、ギャラリーも併設されています。

ちなみに以前の名称は「空想の森美術館」でした。(営業時間は10:00~17:00、入場料:大人600円)

わたくし美術館

緑と一体化するように佇んでいる、洋風木造2階建てのこじんまりとした素朴な建物です。オブジェ、クラフト系の作品が多いので、視覚的・直感的に誰でも楽しめそうです。ダリ、ルオー、岡本太郎などの作品も鑑賞出来るとか。

ちなみに「わたくし」とは館長さんの事を指しているそう。(入場利用300円~)

由布院温泉について

由布岳(豊後富士)をランドマークとし、その麓にのどかに広がる由布院温泉は、それほど広いエリアではありませんが、旅館が一箇所に集中する事無く、適度に散らばって点在しているのは、源泉数とお湯の湧出量が、全国でベスト3に入る豊かさを誇っている事に起因しているようです。

個人的な印象としては、客室数は少な目で、一室あたりの面積や温泉施設・敷地面積が広い、贅を凝らした、いわば「和ゴージャス」な旅館が多いように感じます。

有馬や箱根強羅などと同様に、由布院への旅は、ちょっとした贅沢を楽しみに行く「高級ブランドイメージ」があります。なお「別府の奥座敷」とも言われています。

泉質:単純炭酸泉
効能:神経痛・腰痛・リュウマチなど

ゆふいんの街

(余談:ゆふいんの表記は?)

ネット検索してみると、湯布院は由布院の約2倍の検索結果数があります。と言う事は、湯布院のほうが、一般的・全国的にはメジャーなのかもしれません。

但し、地元の温泉協会や大手旅行社のパンフレットの多くは「由布院」と表記しています。また「ゆふいん」とひらがな表記されている場合もあり、ややこしいと言えばややこしい訳ですが、より歴史が古い名称「由布院」を当サイトでは主に使用しています。

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By Asatsuki (Updated )

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