
キャリック・ア・リード吊り橋をアドレナリン全開で渡る
キャリック・ア・リード吊り橋は、大西洋の絶景と海上散歩のスリルを満喫できる北アイルランドの観光スポットです。
ジャイアンツコーズウェイへ向かう途中に立ち寄ったのですが、吊り橋を渡る時はアドレナリン全開!ハラハラドキドキが止まりませんでした。
北アイルランドのキャリック・ア・リード吊り橋
キャリック・ア・リード吊り橋(Carrick-a-Rede Rope Bridge) は、北アイルランドの都市ベルファスト(Belfast)からほぼまっすぐ北に車で1時間15分ほど行った海岸にあります。
ちなみに北アイルランドは、アイルランド島の北部にあるイギリス連邦の1つで、ベルファストを中心にあのタイタニックを造った優れた造船技術で発展してきた土地です。


ところで、この吊り橋、その名称を聞いても、私たち日本人には馴染みが薄いかと思います。
海岸沿いの西側にある、世界遺産のジャイアンツコーズウェイまでクルマで15分と近いことから、ジャイアンツコーズウェイを観光するついでに立ち寄るツアーなんかもあったりして、現地は結構沢山の人で賑わっているんです。
かつて鮭漁を行う漁師さんたちが使っていた橋です
キャリック・ア・リード吊り橋は、海岸沿いの絶壁とキャリック島という小島(岩礁)との間に架かっています。
長さは20mほど。短くてすぐに渡り切れそうな印象を受けますね。でも実際はゆっくり歩を進めないといけないので、そこそこ時間がかかるんです。
高さは海面から約30m。マンション等のビル建築物にたとえると10階くらいでしょうか、充分ヒヤっとする高さです。
誰が何のためにこんなところに吊り橋をかけたんだろう?観光用のアトラクション的な感じ?とも最初は考えたのですが、なんでも350年ほど前に鮭漁を行う漁師さんたちが実際に使っていたということです。
橋を架けた理由は?
では、漁師さん達は、わざわざこんな辺鄙で危険なところに吊り橋を架けたのでしょう?島には人が住んでいる訳でもなく交通的な「需要」がありません。
その理由は、このあたりは、大西洋を回遊して陸地へ還ってこようとする鮭が、大量に集まって来るスポットだったそうで、それで、キャリック島に渡って漁をするために橋を架けたみたいです。

通常、私たち(漁業あるいは釣りに携わっていない者)は、鮭漁というと「船で沖へ出て行う」イメージがありますが、こちらでは、陸地に居ながらにして、鮭がバンバン釣れたのですね。現在はどうなのかな?
アイルランド特有の気まぐれな天気に翻弄されつつ

私は、友人の運転する車でベルファストからジャイアンツコーズウェイ観光に向かう途中に、このキャリック・ア・リード吊り橋に立ち寄りました。
その日は、大雨が降っては快晴になって、そしてまた大雨が降り出す・・・というのを繰り返す、アイルランド島ではお馴染みの気まぐれなお天気で、当地の海岸沿いにある駐車場に到着した時には、車から出るのが嫌なくらいの大雨が降っていました。
雨のせいでテンション下がりっぱなしの私たちは、この際、吊り橋をパスしてどこかのカフェにでも行って休もうかとも話し合ったのですが、せっかくここまで来たのだし、結局もう少しの間、空模様の様子を伺いながら待ってみようということになりました。
晴れるかな、ちょっとぐらいは晴れるよね、ねえ頼むから晴れて~…と、車の窓から空を見ていると、日頃の行いが良いためか(笑)、段々雨雲が去っていきました。車内で待っていたのは20分くらいだったでしょうか、雨が段々小降りになったタイミングで今がチャンスと、吊り橋の入り口まで急ぎました。
またいつ雨が降り出すかわからないと小走りになりながらも、段々と晴れてくるにつれてくっきりと浮かび上がってきた大西洋の風景が、かなり印象的でした。
ロープの吊り橋と小島の観光
入場券を買って、さて吊り橋はどこだろうかと辺りを見回してもそれらしいものはなく、他の観光者の方たちに付いて歩き出したんですが、なかなか吊り橋が見えてきません。
海岸線に沿って小道を結局20分くらい、距離にして約1マイル程度を歩いて、やっとお目当てのキャリック・ア・リード吊り橋が見えてきました。

体験・観光ツアーは、少人数のグループごとに橋を渡って島内を軽く散策し、制限時間内にまた橋を渡って戻ってくるという仕組みになっていました。
わざわざ少人数に分かれて渡るっていうことは、もしかして大人数で渡ると橋が落ちるかもしれないの?そのくらいの強度しかないの?なんて、余計なことを考えてしまった私。ちょっと怖気づいてきました。
近くでロープで吊られた橋を見ると、結構な高さがある上に風や歩行者などのせいでユラユラ揺れていて、とてもじゃないですが平常心ではいられませんでした。渡るのをやめようかと本気で考え始めました。
実際に一緒にいた友達のうちの一人は棄権。渡らずに陸地で待っていたのですが、私は、せっかくここまで来たし、すでに料金も払ったし、コワイけど渡ろうと決心しました。
アドレナリン全開で渡る!(但し、へっぴり腰)
橋を実際に渡り始めると、それはもう洒落にならないくらいにスリル満点でした。でも、不思議なもので、だんだん怖さより楽しさが勝ってきました。
人が渡るにはちょっと細いんじゃないかと思える両端のロープを掴みながらゆっくり渡っていきました。雨上がりの澄んだ空気と潮の匂いで爽快感もありました。
吊り橋は、一歩足を踏み出すたびに揺れるし、下は一応板張りにはなっているものの、板と板の隙間や脇からはるか下にある海面が見えたりして、かなりのスリルだったのは確かです。
先ほどまで車の中で雨をやり過ごしていた「ユーウツさ」や「退屈さ」なんかキレイさっぱり忘れ去って、ハラハラドキドキの数分間でした。

も~アドレナリン全開でしたよ!!
自分では結構堂々と渡っているつもりだったのですが、渡らずに待っていた友達が少し遠くから撮った写真を見ると、かなりのへっぴり腰になっていて情けなかったです。
キャリック島からの絶景 Gooooood!!
何とか吊り橋を渡り切って、小さな岩礁、キャリック島まで辿り着きました。
橋を端から端まで渡り終わるまでに、結構長い時間かかったように感じたのですが、実際には5分もかかってなかったと思います。
また、制限時間の関係で島にいられる時間は少しの間だけでしたが、それでも十分楽しめました。

というのも、キャリック島は本当に小さい島なんです。
島は、ほぼ元々の姿のままでそこにありました。自然を損なうような人工的な造作はあまりありません。ところどころにごく簡易な防護柵が張られていました。
観光者は自由に行動する事が出来ます。野鳥なども見られるようですが、私は残念ながら見つけることができませんでした。というか、目の前に広がる大西洋のあまりの絶景に魅せられて、野鳥どころではなかったんです。
視界一面に広がる真っ青な海と雲を残しながらもしっかり晴れた青空(先ほどまでの雨模様がウソのよう!)、さらには雨上がりの虹まで出ていてこの世のものとは思えないくらいキレイでした。
これなら怖い思いをして吊り橋を渡ってでも、ここまで来る価値があるなと、妙に感心してしまいました。
引き返す時も心臓バクバク
昔四国の祖谷で、「かずら橋」という吊り橋を渡った時は、一度渡りきると今度は別のルートで(他の「普通の橋」を渡って)元の場所まで戻れたのですが、この時は、向こう岸(陸地)に戻るのには、もう一度、この吊り橋を渡らないといけませんでした。
往路も復路もキャリック・ア・リード吊り橋で。
正直なところ気持ち的には「1回渡ったらもう十分だよ」だったのですが、他に戻るルートが無いのならばまた渡るしかありません。
キャリック島でのんびりした気分になったのもつかの間、また心臓をバクバクさせながら吊り橋を渡るのは一度目とは違ったドキドキ感がありました。
まとめ、入場・観光等に関する情報
北アイルランドの北海岸側(コーズウェー海岸)を観光するにあたり、世界遺産のジャイアンツコーズウェイと比較すると、どうしてもキャリック・ア・リード吊り橋はマイナーな存在です。

asatsuki

コーズウェー海岸は、険しい断崖やグリーンが美しい草原のような海岸線が続く、雄大で爽快なロケーションですね。

ANSUN
私は、どちらの観光スポットも体験しましたが、個人的には大満足のエリアでした。
ジャイアンツコーズウェイとキャリック・ア・リード吊り橋は、距離にして10kmあまりという近距離に所在しています。当地を旅行する場合、スケジュール的に余裕があるのであれば、どちらも楽しんでみてはいかがかと思います。
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By Ansun (Updated by Asatsuki)