topメイン画像

アイルランドの遺跡群ブルー・ナ・ボーニャ

アイルランドの首都ダブリンから北西に行ったところにあるボイン川の渓谷には、世界遺産である、新石器時代の遺跡群ブルー・ナ・ボーニャがあります。

素朴でありながらも古代の不思議を感じる遺跡たちは、とても興味深いです。

アイルランドに旅しました

少し前、アイルランドへ旅行しました。都市部はヨーロッパ的な街並みですが、どこかしら素朴な雰囲気がある、ちょっとかわいらしい国です。

アンさん

現地の人たちは、おおむね人懐っこい印象。初めはシャイなのかなと思ったけど、フレンドリーでラブリーな人たちなんですよ。

あさつき

アイルランド・・・そうですね、個人的には、まずロックバンドのU2が思い浮かびます。

イギリス(グレートブリテン島の国々)とは、様々な歴史的経緯や複雑な関係性があります。

英語が公用語的位置付けではありますが、古代よりアイルランドに根付くケルト文化はいまでもしっかり受け継がれていて、標札は英語とアイルランド語の両方で書かれています。

ダブリン郊外と虹
~ダブリン郊外の車窓から。キレイな虹が見えました。~

一年中ほとんど毎日雨が降っているイメージ。虹を見ない日はない、というくらいです。

街から出て少し田舎に行くと緑が豊かで、羊が群れを成す風景はとてものどかでほっこりしてしまいます。

世界遺産ブルー・ナ・ボーニャ

ボイン川という首都ダブリンの北西部あたりを流れる川があるのですが、そのほとりには、新石器時代の遺跡群「ブルー・ナ・ボーニャ」があります。

大きな石室の古墳が3つと、小さな古墳40以上からなるブルー・ナ・ボーニャ-ボイン渓谷の遺跡群は、極めて重要な遺跡で1993年には世界遺産にも登録されています。

代表的な3つの巨石遺跡(羨道墳)

項目 概要
名称

ニューグレンジ(Newgrange)

建設年

紀元前3100年~紀元前2900年(推定)

エジプトのピラミッドや、イギリスのストーンヘンジよりも古いとされています。

サイズ

76m×高さ12m/面積0.4ha

項目 概要
名称

ノウス(Knowth)

サイズ

大きな塚/面積約1ha/ブルー・ナ・ボーニャで最も大きな規模です。

他に小さな墳墓17個、周辺にあります。

項目 概要
名称

ドウス(Dowth)

備考

ニューグレイジやノウスよりもさらに古い遺跡とされています。

羨道に太陽光が射し込む仕掛け等、ニューグレイジと構造的な類似が見られます。

ニューグレンジ

世界遺産のブルー・ナ・ボーニャ遺跡群でずば抜けて人気が高く、そして重要なのがニューグレンジです。

アイルランド古墳1
アイルランド古墳3

外壁は遺跡が発掘されてから修復されたものですが、屋根の部分はなんと紀元前3000年ごろに建てられたままです。それでも未だに雨漏り一つしないというので、どんな風につくられたのか想像が出来ませんよね。

前述の通り、ピラミッドやストーンヘンジよりも500年から1000年も前に建てられていると推測されており、それが極めて貴重だとされる根拠のひとつにもなっています。

5000年以上も前に建てられた建物が今も残っていて、実際に中に入ったりして観光が出来るというのは、考えたら本当に凄いことです。

ガイド付きの見学ツアー

ブルー・ナ・ボーニャの遺跡群は、比較的自由に見て回れるものの、ニューグレンジの場合については、ガイド付きのツアーでないと入れないとの事だったので、早速ツアーを予約して入場までの間辺りを散策していました。

アンさん

ふと見ていて思ったのは、建てられた時代は全然違うものの、どことなく日本の古墳に似ているような気がしました。

あさつき

日本の前方後円墳とか円墳などに、ビジュアル的に似ているような気もしますね。

アンさん

アイルランドの自然の緑が日本の緑に似ているからか、どちらも島国で雰囲気が似ていないこともないからか、なんとなく懐かしい感じがしたんです。

さて、ツアーが始まって、いよいよニューグレンジの中に入れることになりました。

ガイドさんについて入り口の前にドスンと置かれている渦巻き模様の岩の横側から入り口をくぐり一列になって細い羨道を進んでいくと、すぐに奥の十字架の形の部屋につきました。

発掘当時、このエリアから5体の遺体が発見されたというので、薄暗い遺跡内の雰囲気も手伝ってかちょっと背筋が冷たくなりました。

アイルランド古墳2

羨道墳内に太陽の光が差し込む仕掛け

ところでニューグレンジが世界的に重要な遺跡とされているのは、古いから・・・だけではありません。

実はニューグレンジには一つ仕掛けがあります。

一年に一度冬至の日にだけ、羨道に太陽の光が一直線に差し込み、奥の部屋まで光の道が出来るようになっているんです。

アイルランド古墳3

私が行った時は、冬至の日ではなかったのですが、ツアーの最後に電灯を使ってこの現象が再現されたので、古代の神秘を疑似体験することが出来ました。

電灯の光だとはわかっているものの、明かりを消して真っ暗になった遺跡内に、すっと光が差し込んでくる様子は感動ものでした。

こんな現象を(疑似でも)目の当たりにすると、古代の人達って現代人より経験則と知恵の働かせ方が優れていたのではないかと思えてきました。

5000年も前に開発された技術ですからね、びっくりします。

ブルー・ナ・ボーニャへの行き方

ブルー・ナ・ボーニャ観光の入り口になり、ニューグレンジへのツアーが予約できるのは、現地のブルー・ナ・ボーニャビジターセンターです。

ところが、ビジターセンターへの直通のバスというのは残念ながらないんです。

ダブリンから近郊の町へのバスは出ていますが、そこからまたバスを乗り換えて行くとか、思い切って徒歩で行くとなると、かなりの時間と労力がかかります。

ですので、ブルー・ナ・ボーニャ観光をしたい場合、自由に行動したいのであれば、レンタカーを借りるか、貸し切りでタクシーを利用することになるでしょう。

また、確実に行きたいのであれば、ダブリンからの日帰りツアーに参加するのがおススメです。

ダブリン発のブルー・ナ・ボーニャへのツアーは、ダブリン市内のツーリストインフォメーションで予約可能なのでお手軽ですよ。

スポンサーリンク

関連するページ(UK/IRELAND)

*本ページの概要・情報は変更される事があります。

By Ansun (Updated by Asatsuki)

ページの先頭へ