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セーヌ河岸をてくてく散策

セーヌ川の優雅な流れを感じながら歩いてみたくなり、ルーブル美術館付近からシテ島を経由しエッフェル塔まで、川沿いを散策しました。

途中でブキニストやノートルダム大聖堂にも立ち寄りつつ、世界遺産であるセーヌ河岸を、てくてく歩いて楽しんだのでした。

セーヌ川沿いを歩いてみたくなりました

アンさん

私がパリ旅行滞在時に宿泊していたのは、市の北部、10区に所在する北駅周辺のホステルでした。

そして、パリ市内を観光をする際には、基本的にはメトロ(地下鉄)を利用していました。

ある日、ルーブル美術館の最寄駅であるミュゼ・デュ・ルーブル駅(Palais Royal - Musee du Louvre)を出るとすぐに、ど~んとお上品に横たわるセーヌ川の姿が目に入りました。

ゆったりとした流れでパリの街を堂々と横切っていくセーヌ川の姿は、この上なく優雅でした。

この川の流れはとてもゆっくりです。
どの程度かというと、川をじっと見ていると、どっちからどっちへ流れているのかなかなか判断がつかなかったりします。本当なのですよ。

(上の地図の場合、「右から左」、つまり「東から西」へ流れています。)

パリについて語る上で忘れることができないのは、街の中をゆったりと流れるセーヌ川(Seine )です。

パリの起源は紀元前3世紀のシテ島にまでさかのぼりますが、それからパリは、川沿いを中心にどんどんと発展していきました。

塔から見たセーヌ
エッフェル塔から臨んだ風景です。
あさつき

1991年に「パリのセーヌ河岸」として世界遺産に登録されていますよね。

アンさん

シェリー橋からイエナ橋までの、約8キロにも及ぶ街の中心地が丸ごと世界遺産なんです。

パリの観光地図を見ると一目瞭然なのですが、ノートルダム大聖堂、ルーブル美術館、オルセー美術館、凱旋門、エッフェル塔といった重要な文化財は、 「逆Uの字」に蛇行しながらパリの中心部を流れるセーヌ川沿いに集まっています。

パリ旅行を楽しみにしていたものの、滞在出来る日数が短く限られていたので、地下鉄を使ってパパッと見どころを観光して回ろうかと思っていました。

でもセーヌ川の流れを見ていると、パリならではの情緒を体感したくなり、どうしてもゆっくりと川沿いを散歩したくなってしまいました。

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河岸の散策ルート

だいたいこんな感じの「おさんぽ」でした。

  1. ルーブル美術館エリアのセーヌ河岸よりスタート。

  2. ブキニストを散策。

  3. ポンヌフ橋を渡りシテ島へ。島内のノートルダム寺院を見学。

  4. 左岸に渡り西(川下)へ向けて歩く。オルセー美術館、ケ・ブランリー博物館などの横を通り過ぎる。

  5. エッフェル塔(シャン・ド・マルス公園)へ到着!

    セーヌ&エッフェル

ルーブルからシテ島へ向かって

私は、ルーブル美術館(Musee du Louvre/Louvre Museum)のある辺りの河岸からノートルダム大聖堂のあるシテ島に向かって歩き始めました。

アンさん

西から東へ向けて、「右岸」を歩いてみた訳です。

下流(西方向)に向かって、「右岸、左岸」と表しています。

セーヌ川は両岸がコンクリートの塀になっていて、遊歩道があったり道路の歩道に面していたりしました。

川沿いを散歩しているといつも清々しい気分になる私。多分水の近くだと、建物が立ち並び人や車が行き交うストリートを歩くよりも空気が綺麗な気がするのと、水に清らかなイメージがあるからだと思います。それが、パリのセーヌ川沿いとなれば、高揚感も合わさって足取りが軽くなりました。

川沿い1

優雅に流れていると言うものの、大都会を横切る川ですので、さすがに水の透明度はあまり高くはなく、魚が見えたりはしませんでした。でも、街路樹の緑と白っぽい色の橋と川が合わさった景観はとても綺麗でした。

所々に船着場があり、クルーズ船や貨物船が往来していました。

ブキニストは独特のノスタルジー感が漂っていました

しばらく歩くと、ブキニスト(Bouquinistes )という古本市に 差し掛かりました。地元の方たちもいましたが、なんといっても私のような観光客が沢山いました。

ただの古本市のようですが、実は起源が16世紀にまでさかのぼるこのブキニスト、パリの伝統的かつ代表的な観光スポットのひとつです。元は古本だけが売られていたものの、今はポストカードやポスターの類、それから小さな置物などの土産品も見ることができます。

川沿いの古本屋

屋台は常設されているのでしょうか、鉄製の箱を開けると屋台のようになる折り畳み式的な仕組みのようでした。毎日のように営業しているのだと思います。

お店の人(店番、店主)はいたって控えめで、あえて存在感を消しているようでした。観光地のお土産屋さんのような積極的な声かけや強引な接客は全くありませんでした。やはり古書や骨董品を扱っているお店は、店主が無口で客をそっとしておいてくれる、「見て見ぬ振り」をしてくれる場合が多くて、また、そのほうがお客としてもじっくりと品定めが出来て良いですね。

私は、フランス語がよく分からないこともあり、書籍の中身というよりは、その装丁のデザイン、そして絵葉書など、視覚的にダイレクトに伝わってくるモノに関心を持ちました。

アンさん

のんびり見ていても、特に客引きされるとかはありませんでしたよ。

あさつき

風情がありそうですね。掘り出し物が見つかりそう。

ブキニストは、都会の喧騒から完全に切り離された時間の流れの中にあるようで、独特のノスタルジー感を醸し出していました。こういう屋外にスタンドが並ぶ市は、お店を覗いて回るだけで楽しい気分になりますね。

なお、この古本市は、左右どちらの川岸でも開催・営業されているのですが、お役所の許可を得ないと出せなくて、シテ島を挟み込むように東から西への一部の流域のみで営業しているようです。博多の屋台みたいに行政のお墨付きが要ると言う訳ですね。

さて、ブキニストの散策を楽しみつつ東へ進んでいくと、いよいよシテ島に近づいてきました。

ポン・ヌフ橋を渡りシテ島へ上陸

ノートルダム大聖堂のあるシテ島へ行くために私が渡ったのは、ポン・ヌフ橋(Pont Neuf )です。

シテ島とセーヌ川の両岸とを結ぶ石造りのこの橋は、“新しい橋”という名前に反してセーヌ川にかかる橋の中で一番古いもの(17世紀初頭に竣工)だそうです。

ポンヌフ&シテ
真ん中の中州がシテ島です。
ノートルダム&シテ
セーヌとノートルダム。

セーヌ川の右岸と左岸を結ぶ橋は、パリ市内に30本以上もあります。ですので、川沿いを歩いていると沢山の橋とすれ違います。よく観察するとどれもそれぞれに味わいがあります。橋の姿を眺めたり、時には渡ってみたりするのもセーヌ川散策の楽しみ方かなと思う訳ですが、とりわけ ポン・ヌフ橋は歴史がある有名な橋で、「必渡」と言えるのではないでしょうか。

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てくてく歩くよ、エッフェル塔を目指して

シテ島内(ノートルダム寺院など)を見て回った後、私はエッフェル塔へ行こうと考えました。そして、ホステルでもらった観光地図とにらめっこしながら、「徒歩」にするか「地下鉄に乗るか」どちらにしようかと迷いました。

その地図は簡易なものだったので、正確な距離とか目安となる所要時間とかはよく分かりませんでしたが、歩くとかなり時間がかかりそうには感じたのです。

セーヌ川沿いをもっと歩いてみたいけど疲れたくはないからなあ。少し思案した末、私は行けるところまで歩いてみよう!と決めました。せっかくのパリだから、やっぱりお散歩してみよう!と思ったのです。

張り切って散策続行です。

あさつき

マップなどで調べてみると、シテ島付近からエッフェル塔までは、最短で約4キロ、50分超の行程となっています。

アンさん

あら。やっぱり結構距離があったのですね。

さっそくシテ島から橋を渡り、セーヌ川の左岸沿いのルートを歩き始めました。

てくてく、てくてく、口笛吹いてエッフェル塔を目指して。
てくてく、てくてく、パリジャン気取ってセーヌの河岸歩き♪

電池切れになりそうだったけど無事到着

セーヌ川の左岸沿いをマイペースで「てくてく」歩きました。心なごみ気分は上々!穏やかな水面がキラッと光っていて良い雰囲気です。

でも高揚した気分に反して徐々に失速。脚の動きが鈍くなり出し、対岸にルーブル美術館が見えた辺りから確実に歩くスピードが落ちてきました。そして、オルセー美術館に差し掛かる頃、疲労が顕著になってきました。や、やばい。

セーヌ左岸a
対岸にはルーブル美術館
セーヌ左岸b
オルセー美術館を通過

さてどうしたものかな。電池切れしそうかな。周りを見渡すと、川のほとりに腰かけて休憩をしている人が沢山いました。そこで私も飲み物を買って、しばらく休憩(充電!)しました。

その後、エネルギーチャージしたものの、体力に一抹の不安を感じながら再び歩き始めました。

セーヌ左岸c
コンコルド橋/渡るとコンコルド広場です。
セーヌ左岸d
アレクサンドル3世橋/左奥にはプティ・パレ

国会議事堂前(コンコルド橋)やアレクサンドル3世橋、ケ・ブランリー博物館を通り過ぎ・・・現金なもので、エッフェル塔の姿が見え始めるとがぜん元気が出てきまました。

エッフェル塔が建つシャン・ド・マルス公園はまでたどり着いた時は、かなりの達成感でした。

エッフェル塔(Tour Eiffel)

すらりとした立ち姿。まるでモデルさんがポージングをキメているかのよう。エッフェル塔の姿には、ただただ感激!でした。

茶色っぽい色の塗料(エッフェルブラウン)を施した細かく交差する錬鉄。遠くから眺めても近くで見ても優雅で美しいエッフェル塔は、1889年のパリ万博のためにつくられたものです。脚の部分のふんわりとした丸みは、まさに優美でドレッシーな女性的なフォルム。120年以上も前にこんなにもシュッとしたスタイリッシュな塔を建てられるなんて!!

塔正面
塔下面
あさつき

脚は案外と華奢ですが複雑な構造に見えます。それにしてもよく支えられるなあ。

アンさん

驚くべきことに当時は、この美しいデザインに対して批判的な意見も多かったようです。

あさつき

ちなみに大阪・新世界の初代通天閣(1912年~1943年)は、「凱旋門の上にエッフェル塔を乗っける」というコンセプトで造られたそうですよ。

アンさん

へぇ~。パリジャンからすると奇想天外すぎるアイデアでしょうね!

展望台が3つありエレベーターで昇ることができるのですが、エレベーターに乗るための行列は、もうとんでもない長さでした。旅行者にとっては、大、大、大定番の観光施設。パリのイメージをイラストにする場合、大多数の人は凱旋門かエッフェル塔を描きますものね。そのくらいシンボリックな存在でして、常時満員御礼なのは仕方がないと思います。

列に並ぶ人だけではなく、私のようにエッフェル塔の周りをうろうろしたり写真撮影している人もかなり沢山いましたよ。

塔と公園

塔が立地するシャン・ド・マルス公園は、24.3haもの広い面積を誇る、極めて丁寧に芝や木が整備された緑地公園で、散歩している人や芝生の上で休んでいる人が多数いました。都会の街並みの中にいきなり現れた「大きなオアシス」のような存在感を放っていました。

頑張ってシテ島から歩いてきてエッフェル塔に無事たどり着き、塔を間近くで見られたことで何となく満足した私は、またいつかもう一度パリへ来れた時にこそ上へ昇って市内を見渡そうと思い、公園を後にしたのでした。

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By Ansun (Updated by Asatsuki)

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