
ルーブル美術館の私的激推し作品7選
パリのルーブル美術館に行きました。館内に入るとそこはまるで芸術品の海のよう。
歩を進めるたびに傑作の絵画や彫刻が途切れることなく押し寄せてきます。短い時間では到底回りきれません。
そこで、これだけは必ず鑑賞すべき私的激推し作品をご紹介します。
ルーブル美術館を見学して
専門的な知識はあまり持ち合わせてはいないものの、私は子供の頃から絵画を見るのが好きです。

そして私にとって、バチカン美術館、プラド美術館、ルーブル美術館という世界三大美術館を訪れるのは、ちょっとした夢であり目標でした。
大人になって色々な経緯の末、スペインに住むこととなった私。三大美術館巡りも達成する事ができた訳ですが、最後に訪れたのがルーブル美術館です。
パリの街を半分迷いながらうろうろしてやっとたどり着いた時には、真打登場という感じで心拍数がかなり上がりました。
収蔵作品もさることながら、王宮やたびたび国政中枢の舞台となった建物自体も歴史的に重要で、「パリのセーヌ河岸」として世界遺産に包括登録されています。
その重厚な外観と、比較的まだ新しい近代的なピラミッドの入り口のコントラストがとてもおしゃれで印象的でした。
あなどっていました(広すぎ大きすぎ!)
ルーブルは、フランスの国立美術館(博物館とも言えます)で、展示総面積はざっと60,600平方メートル。先史時代から近代に至るまで、何万、何十万点という膨大なコレクションを有しています。質・量ともに世界最大級です。

バチカン美術館とプラド美術館を半日で見て回ったその感覚で、ルーブル美術館も見て回れるだろうと軽く考えていた私。
甘かったです。激甘でした!あなどっていました!
館内はドゥノン翼とシュリー翼それにリシュリュー翼という3か所に分かれているのですが、きわめて重要な作品が並ぶドゥノン翼とシュリー翼の一部を回るだけで半日くらいかかってしまいました。その上、館内で迷ってしまい、どこにいるか分からない有り様でした。
そして結局、見残した多数の作品に後ろ髪をひかれつつ、疲れ切って美術館を後にしたのでした。
館内で傑作を沢山見て沢山感動したものの、最後はルーヴル美術館の大きさに負けてしまった形です。

私的激推し作品7選
それでは今回は、ルーブル美術館で抑えておきたい、個人的に激推しの7つの作品を紹介していきたいと思います。
作品① アイドル的存在の「モナ・リザ」
言わずと知れたレオナルド・ダ・ヴィンチの作品。当美術館でおそらく1番有名な絵画でしょう。サイズは小さいめです(縦77cm、横53cm)。過去に盗難騒ぎもあったことからか、この作品だけガラスケースに入れられていて、近寄ることが出来ません。
それにもかかわらずこの絵の前には人だかりができていて、ものすごい熱気でした。
ずばり彼女(モナ・リザ)は、この美術館のアイドルです!!
1974年には、遥か遠く極東の島国・日本まで「遠征」しました。海外ツアーですね。東京国立博物館でモナリザ展が開催されたのです。展示品はモナリザのみ。わずか約2か月の期間で入場者はざっと151万人にも及びました。年長者の方たちの中には、ご覧になった方もいるかもしれませんね。

ザ・タイガースに「モナリザの微笑み」という楽曲があってですね。
(沢田研二さんや岸部一徳さんが在籍していたGSバンド。1967年リリース。)

日本人にも馴染み深い西洋絵画ですね。ミステリアスな魅力があります。
でも恐縮ながら、大作・傑作が目白押しのルーブルの中でここまで騒ぐほど凄いかなと、感じた部分もちょっぴりありました。

世界中の人から注目されるのは、最近では、ダ・ヴィンチ・コードの影響も大きいのではないでしょうか。
作品② どこか秘密めいた「岩窟の聖母」
こちらもレオナルド・ダ・ヴィンチの作品で、わたしは正直モナ・リザよりこちらの絵画に魅力を感じました。
聖母マリア、幼いイエス・キリストと同じく幼いヨハネそれに天使が描かれていますが、岩の洞窟を背景にしているからかどこか秘密めいた空気が漂っています。
作品③ラファエロの「聖母子と幼児聖ヨハネ」
聖母子と幼児聖ヨハネ(聖母子と幼き洗礼者聖ヨハネ)は、ラファエロ(ラファエッロ・サンツィオ)が、聖母マリアと幼いキリストそして幼いヨハネを描いた作品で、自然豊かな背景から別名『美しき女庭師』と呼ばれています。
彼は、聖母マリアについて母性を描く画家と言われていますが、それは彼の絵を一目見れば納得出来ます。彼の描く聖母マリアはいつも優しげで暖かい感じがするので、私は大好きです。
②でご紹介したダ・ヴィンチの作品と題材は似ていますが、雰囲気は全く異なります。
作品④ヘップバーンの映画で魅せられたサモトラケのニケ
有名な頭の部分がない羽のある女神の像で、ダリュの階段の踊り場に展示されています。
勝利の女神ニーケがモデルだと言われています。古代ギリシア時代の彫刻で作者は不明です。
ギリシャ国内で発掘されたそうですが、紀元前の彫刻がまだ残っていて、それを間近で見られるのはすごいですよね。

『パリの恋人』というハリウッド映画で、オードリー・ヘップバーンが赤いドレスをなびかせながらダリュの階段を降りてきた時に、主役のオードリーに負けないくらいの存在感を放っていたこの彫刻。

フレッド・アステアも出演している1957年公開のミュージカル映画ですね。 ジョージ・ガーシュウィンが音楽を担当していました。

ずっと見てみたいと思っていたんです。実際に見た時はホントに感激でした!
作品⑤どなたもご存じの「ミロのヴィーナス」
この愛と美の女神アフロディーテは、④のサモトラケのニケと並んで、ルーブル美術館で最も有名な彫刻の一つです。
殆どの人が、美術の教科書などで一度は写真を見たことがあるのではないでしょうか。
古代ギリシア時代の作品で作者は分かっていません。失われた両手がどんな形をしていたのかはまだ解明されていないようなので、彼女がどんなポーズをしていたのか想像しながら見ると面白いですよ。
作品⑥ルーブル美術館で最大の絵画「カナの婚礼」
パオロ・ヴェロネーゼが16世紀中期に画布に描いた油彩画。
サイズは縦6.77m、横9.94mもあります。ルーブル美術館で一番大きな絵画です。
大きな絵画はそれだけで迫力満点で見ごたえたっぷりですが、それがルネッサンス期のベネチアを代表する画家ヴェロネーゼの傑作とあれば、しばらく絵の前で歩みを止めて見入ってしまうこと間違いありません。
題材はイエス・キリストが起こした最初の奇跡で聖書の中にも記されています。
元来は、ベネチアの湾上に浮かぶサン・ジョルジョ・マッジョーレ島の教会(修道院)の食堂に飾られていたそうですが、ナポレオンが侵攻した際にパリに持って帰ってしまったそうです。
作品⑦私の一番のお気に入り!「四季」
ジュゼッペ・アルチンボルドの連作『四季』は『春』『夏』『秋』『冬』の4枚の絵画。グッとハートをつかまれたと言いますか、ルーブル美術館で私が一番気に入った作品です。
ミラノ出身の画家が描くフルーツや野菜それに草花を集めて描かれた人間の顔は、奇妙で少し不気味であるものの、とてもユニークで面白いです。
その斬新さから他の作品と比べてず~っと近代に描かれたのかなと思ったのですが、ルネッサンス後期に現れた思想的・芸術的な概念「マニエリスム」を象徴する画家のひとりとの事。

マニエリスムを実践した絵画の顕著な特徴としては、極端な強調、歪曲、抽象化などがあるそうです。

アルチンボルドの作品は本当に個性的ですよね。当時は悪趣味だと評される事もあったとか。トリックアート(だまし絵)の元祖と呼ばれる事があります。
プランを立てて見学しましょう
以上、ルーブル美術館における私の激推し7作品をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。いずれも西洋美術にご関心がある方ならばご存知の作品ばかりでしたよね。
僭越ではありますが、これから行かれる方にアドバイスをするならば、限られた時間で見学する場合は、あらかじめ見たい作品をピックアップするなどして、「鑑賞ルートと所要時間」をシミュレーションしておいたほうが、スムーズな見学を楽しめるかと思います。

まずは、ルーヴル美術館の公式サイトをご覧になることをおススメいたします。
豊富な情報量で作品の検索も可能。展覧会・イベントの予定についても案内されています。日本語にも丁寧に対応していますので、とても分かりやすく参考になります。
ぜひ、行き当たりばったりは避けて、大まかでも良いので見学プランを立てておきましょう。私みたいに無駄に時間を過ごしたり館内で迷子にならなくても済みます(笑)。
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By Ansun (Updated by Asatsuki)